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空間づくり事始め -未来へのファーストステップ-

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写真:加藤 圭

PROFILE

高橋 淳一(たかはし じゅんいち)都市環境システム専攻出身

中学から始めたテニスは、高校では部活動で、そして大学では地元チームに参加し、常に上を目指してきた。社会人になって、さすがにラケットを握る回数は少なくなったが、いずれ機会を作って思い切り汗を流したいと思っている。また、居心地の良い空間と美味しい食事の両方を楽しめるお店探しを学生時代から続け、立ち飲みからフレンチまで幅広く開拓してきたが、今後もレパートリーを広げていく予定。

空間のデザインを通じて人々に喜びを提供したい。

大学3年の頃からディスプレイ業界を就職先に考えていましたが、より専門的にデザインを学びたいと思い、大学院に進学することにしました。研究室では、10年後、20年後を見すえた街づくり(商業施設や施設でのサービスのあり方など)のプランをデベロッパー企業などに提案したりしました。私はこの時、施設や空間の所有者だけが自己満足を感じるのではなく、訪れたり、利用したりする人々が心から楽しむことができる空間演出の大切さを学びました。そして、料理を楽しむ飲食施設であれ、エンターテインメント施設であれ、訪れる人々の笑顔を誘う空間づくりを一生の仕事にしたいという思いをますます強くしました。

丹青社に入社後、4月下旬までは集合研修があり、その後続いてCAD研修や什器製作研修に入りました。什器製作研修では、デザイン職・制作職でチームを作り、チームごとに電話台を製作しました。まず、製作する電話台のデザインコンペをデザイン職7名で競い合った結果、採用された3案の一つに私のプランも選ばれました。その後、デザイン、制作各2名ずつのチームで実際に電話台を製作する作業に入りましたが、図面の書き方は分かるものの、部品や材料の知識どころか、次に何をすべきか、実際に什器を製作してくれる協力会社にどうやって発注すればいいのかさえ分からない、という手探りの状態でした。とにかく自分たちで調べられることは調べ、時には上司にアドバイスを仰ぎながら、何とか完成までたどり着くことができました。私はこの研修を通じて、一人で考え込むより、チームのメンバーと互いの考えをぶつけ合うことが問題を解決し、作業を前進させることを実感しました。この実感こそ今後の仕事に役立つものだと確信しています。

人の目線で発想し、温かく快適な空間づくりを目指す。

8月からは、いよいよ現場研修が始まりました。私は、新築中の郊外型ショッピングモールで、モール全体を統轄する内装監理室と当社が手掛ける80店舗のショップの工事現場を繋ぐサポート役として、現場に常駐しました。デザインの仕事とは異なり、契約書や届出などの必要書類を作成したり、現場での安全やルールの徹底をはかったりすることが中心で、様々な現場内での調整を行いました。

この現場で、ひと口に「ものづくり」と言っても、実際にカタチとして出来上がる工程がいかに大変かをいろいろと経験し、学ぶことができました。例えばそのショッピングモールで、物販店舗が約2週間の工事で完成したのに対し、飲食店舗は完成まで約6週間もかかりました。飲食店舗の工事では、物販店舗の工事には無い水回りなどの設備工事があったためです。同じような広さの店舗でも物販店には無い工事が加わるだけで、図面も増え、工事スケジュールも長くなり、現場に関わる職人さんの数も増え、調整作業も多くなります。一つのミスが現場で発生した場合も、それが連鎖的に影響を及ぼし、工事スケジュールの遅れに繋がったりすることもあるわけです。

こうした内装工事の基本を、現場での多くの作業を、自分の目で見、耳で聞き、肌で実感することができました。空間づくりの担当デザイナーとして、この経験を仕事に生かし続け、現場の作業や段取りをも踏まえた図面を書いていきたいと思っています。
空間づくりには、いろいろなアプローチがありますが、私が今まで見た空間の中には機能性ばかりが重視され、人の存在感が希薄になっているのではないか、と感じられた空間もありました。しかし、私が目指しているのは「人に喜んでもらえる」空間づくりです。人の目線で発想し、その空間を訪れ、利用する人々のライフスタイルまでも考慮に入れ、より温かみや居心地の良さを感じられる空間を提案していきたいと思っています。また、誰も考えなかったこと、つくらなかったものにも常に挑戦することで、自らの理想を精一杯具現化していきたいと考えています。

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