
そもそも大学では建築を専攻していましたが、グラフィックやプロダクトなどのデザインにも興味があって、よくデザイン学科の授業も受けていました。大学院に進学する際には、建築を専攻するか、デザインを専攻するか悩みましたが、デザイン学科の授業を通じて次第に先生とも親しくなったこともあり、デザイン専攻を選びました。
就職先はディスプレイやインテリアの業界に絞り込みましたが、これは建築とデザインの両方を活かせる仕事に就けると考えたからです。巨大プロジェクトをかかえるゼネコンに比べると仕事の規模は小さいかもしれませんが、自分のアイデアを活かせる範囲がより広いのではないかと感じました。
丹青社に決めたのは、選考を通して出会った社員の方達がとても魅力的だったからです。面接官の方も「壁」を感じさせることがなく、楽しそうに仕事内容を説明してくれたり、質問に答えてくれたりしました。役員面接でも「将来の仕事仲間になるかもしれない」者として、気さくに接していただけたという印象が強かったです。このような方たちが上司であり同じ会社で働く仲間なら、伸び伸びと仕事ができるのではないかと思い、入社を決めました。

入社後10ヶ月近い研修を経て、正式にデザイナーとして配属されましたが、まずフードテーマパークのショップリニューアルを担当し、その後、区立保育園の改修工事で設計デザインを手がけました。
丹青社のデザイナーはプロジェクトの中心に立ち、デザインの方向性や詳細設計を決めて行かなければなりません。どんなイメージの空間に仕立てるのか、その大事なポイントをデザイナーが担っています。空間の隅々にまで責任を持たなければならないので、プレッシャーは大きいですが、会社によっては、デザイナーが仕事のイニシアティブを取れないところもあると聞いているので、丹青社に入って早くから責任ある仕事に携わることができて良かったと思います。
デザインをするにあたってはコンセプトや自分のこだわり、あるいは類似した物件の知識、法令に適合しているかという厳しい眼などを持っていなければなりません。きちんとしたバックグラウンドがなければ、美しい空間にはならないし、心地よい雰囲気の演出もできないので、お客様の賛同も得られません。たとえば壁の厚みやドアの枠、また色のひとつひとつに根拠があり、それを決めるのが自分なのです。下調べやコンセプトづくりから始まることがこの仕事の難しさであり、逆に面白さだと思います。
| 8:00 | 出社・自由が丘のフードテーマパークのデザインワーク |
|---|---|
| 10:00 | 素材メーカーと打ち合わせ 新製品タイルの説明を受ける |
| 11:00 | 11:30 外出・出先で昼食 |
| 13:00 | クライアントと飲食店リニューアル企画の打ち合わせ |
| 16:00 | 帰りがけに最新の商業施設をチェック |
| 18:00 | フードテーマパークの見積りを制作担当者と協議し、引き続きフードテーマパークのデザインワーク |
| 21:00 | 業務終了 明日のスケジュールを確認 退出 |
| 22:00 | カフェに立ち寄り夕食、読書後帰宅 |
保育園の改修工事は、廃校になった小学校を複合施設として再利用している建物の3階部分を、区立保育園にするものでした。関東大震災直後の建物なので、長い廊下にコンクリートのアーチが連なり、昭和の懐かしい趣を伝えています。そこでアーチの造形を活かそうと、天井を覆い隠すことなく間接照明で照らし、風情が漂う空間づくりを目指しました。ポイントは、園児に不安を感じさせないよう長い廊下のアーチをレインボーカラーに塗り分けたことです。こうして、昭和の風情を残しつつ、園児たちが明るく元気に遊べる空間に仕立て上げました。
この仕事では、私のエネルギーの多くを「なぜ天井に何も張らないのか」「なぜ間接照明なのか」をお客様に説明することに費やしました。それまで設計デザインは単なるセンスの差だと信じていましたが、仕事に対するスタンスや思い入れが、そして利用者のことを考える姿勢が、デザインの善し悪しを左右するとを実感しました。この経験で、私はプロのデザイナーに向けて大きな一歩を踏み出すことが出来たと思います。

仕事を通じて実感したことがもうひとつあります。丹青社は大胆な提案でも、自ら強く意志を持って臨めば通してもらえる会社だということです。配属直後の仕事でも、私のような若い社員の提案に上司や先輩が真剣に耳を傾けて聴いてくれました。それはお客様や職人さん方も同様でした。先輩たちが築き上げてきた実績や信頼があるので、空間づくりのプロとして私の提案を聞き、アイデアや話を受け入れてくれたのだと思います。プレッシャーに感じるときもありますが、早くから仕事を任されたいと思っていましたので、とても大きなやりがいになっています。
ディスプレイ業界大手の丹青社のネームバリュー、言い換えれば「丹青社ブランド」が若手の社員にもやりがいと仕事の機会を与えてくれます。丹青社には個人の力を超えたところで力を発揮できる恵まれた環境があるということ。それが魅力だと思います。


