小林 統プロフィール
1959年長野県出身。1983年法政大学経済学部卒業後、1984年株式会社丹青社入社。専門店の商業空間づくりから始まり、エンターテインメント施設やイベントに関するプロジェクトマネジメントを担当。幅広い分野で経験を重ねる。営業部門、営業企画部門の部門長を経て、2008年IMC事業部事業部長、2015年CS事業部事業部長などを歴任し、マネージャーとして提供価値の向上に注力。2016年取締役、2022年取締役専務を経て、2023年4月より現職。
丹青社の空間づくりに関わる全ての人とともに、
新たな価値を芽吹かせ、より大きな“樹”に育てる。
【01】人こそ、丹青社最大の強み。全員の思いを揃えて進んでいく。
私は1984年の入社以来、大型商業施設やテーマパークを始めとしたエンターテインメント施設、企業プロモーション施設等のプロジェクトマネジメントなど、幅広いマーケットで経験を積んでまいりました。思い返せばいずれも印象深いものばかりですが、特に印象に残っているのが万博に関するプロジェクトです。入社直後に開催されたつくば万博、2005年に営業部長として携わった愛知万博、その後の上海万博、ミラノ万博、ドバイ万博と、空間創造において、その時点での世界最先端・最高峰の技術やクリエイティブが結集する「万博」という機会に長く関わってきたことは、今の自分を形づくる大きな糧になっていると感じます。
それらを経て私が最も大切にしたいものが「人のつながり」です。多くのクリエイターやパートナーが参画する万博はもとより、私たちが手がけるプロジェクトは全て、一人では絶対に成し遂げられないものです。営業、プランナー、デザイナー、制作、丹青社グループのメンバーはもちろん、お客さまや協力会社の皆さまと力を合わせて、ひとつの空間をつくりあげていく。そのためには、全員の思いを揃えて同じ方向に向かっていくことが何よりも重要です。ワンチームとして一致団結し、一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮することで、総合力が高まり、こころを動かす空間が生み出されていきます。その力の大きさを、これまでの現場とマネジメント経験の中で度々実感してきました。
70年以上にわたり培ってきた丹青社の価値の源は、「人」です。これからも人の力を高め続け、社内外にファンを増やしていけるような丹青社を目指していきたいと思います。
【02】丹青社という“樹”に新規事業の数々を芽吹かせていく。
コロナ禍においては集客や人の交流が制限され、私たちが手がける空間づくりの意義そのものが問われることになり、丹青社の業績にも大きな影響を与えました。まずは新たな経営体制のもと現中期経営計画の戦略を着実に実行し、業績の早期回復に努めることが、私に課せられた使命です。2023年は、現在掲げている中期経営計画の最終年。計画の目標達成に全力で努めるとともに、激しい環境変化を踏まえた来期以降の経営計画策定を進め、新生丹青社の礎を築いてまいります。
具体的には、本業である空間創造事業を再び成長軌道に乗せると同時に、新たな事業創出への多角的な取り組みを推し進めます。丹青社というひとつの樹があるとすれば、長い年月をかけて年輪を刻んできた太い「幹」にあたるのが空間創造事業。この幹から多様な枝葉を伸ばし、芽吹いていく「新芽」が新規事業だと捉えています。一つひとつの新芽を成長させ、丹青社全体として大きな価値を生み出していく体制整備と新たなことに果敢に挑戦する企業文化の醸成に、これまで以上に力を入れてまいります。
すでに、いくつかの新規事業が芽吹きつつあります。たとえば、販売中止となった建材、照明器具、装飾材等の廃番品の有効活用を目的に立ち上げた廃番品専門のECサイト「フォーアース(4earth)」では、メーカー様と協力しながら活動を広げています。ほかにも東京都心部の築古不動産を購入し、構造体を活かしながら設備や仕上を更新することでビルをよみがえらせる「R2プロジェクト」は、ビルの建設にかかるCO2の排出を削減しながら付加価値を生み出すなど、空間づくりに関連したサステナブルな取り組みを進めています。
豊かで持続可能な社会を実現し、地域・社会の課題解決に寄与するために、私たちだからできることを考え続け、実行に移していく。そして、お客さまや協力会社の皆さまとともに取り組みの輪を拡大していく所存です。
【03】変革と進化を続ける新生丹青社に、ぜひご期待ください。
私たち丹青社は、2026年に創業80年を迎えます。これまで、社会の変化・ニーズの変化に真摯に向き合いながら、クリエイティビティや技術に磨きをかけてきました。今まで培ったノウハウを活かす一方で、ずっと当たり前と思っていたところにこそ変革の可能性があると、私は考えています。先ほど申し上げた新規事業はもちろん、働き方改革やDXなども積極的に推し進め、既成概念にとらわれない強くしなやかな組織風土をつくりあげる。顕在化していない課題にもしっかりと目を向け、丹青社最大の強みである「人」が最大限活躍できる組織へとさらに進化を続けてまいります。
エンドユーザーの価値観が「モノ」から「コト」へと加速度的に変化していく中で、丹青社がつくりあげる「こころを動かす空間」の価値は確実に高まっていくでしょう。これから始まる新生丹青社に、ぜひともご期待ください。
【COMMENT】
代表取締役会長 高橋 貴志
営業として数多くのお客さまと信頼関係を築き、また事業部長として社員を束ねてきた小林が社長に就任したことで、中期経営計画で掲げているさまざまな施策を実行に移し、新たな丹青社グループがスタートすることを確信しているところです。幅広い知見と多様な視点、経営の舵を取るためのバランス感覚、そして強いリーダシップを発揮して、次なる飛躍の土台をつくりあげていくことを大いに期待しています。
コマーシャルスペース事業部 第1営業統括部 副統括部長 木曽 裕美子
小林さんはとても聞き上手で、オフィス内でも色々な社員とコミュニケーションをとっている姿をよく見かけます。私自身もいいアイデアが浮かんだときは、いつも第一に相談しています。新たな事業や取り組みを積極的に推進しながら、丹青社の根幹事業である空間づくりもバランスよく深化させていくことで、次世代の社員がそれぞれの強みを発揮し、活躍できるフィールドを広げていってほしいと思います。