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【プロジェクトインタビュー】
甲子園歴史館 リニューアル

毎夏熱戦が繰り広げられる全国高等学校野球選手権大会。105回目となる2023年は8月6日(日)から開催されます。
主会場である阪神甲子園球場で受け継がれる歴史と魅力、感動を伝える
『甲子園歴史館 リニューアル』での空間づくりについて、担当者インタビューを通してご紹介します。
※PDFでニュースレター(2023/7)を見る(※所属・肩書は取材当時のもの)

撮影:フォワードストローク

事例概要
阪神甲子園球場南側に誕生した商業施設「甲子園プラス」内に、球場の外野スタンドにあった甲子園歴史館の一部を移転・拡張し、2022年3月リニューアルオープンした展示施設。丹青社は2010年の甲子園歴史館オープン、その後の企画展も含めて10 年以上にわたり携わってきました。2022年のリニューアルでは、オープン時に掲げた「歴史と伝統、記憶の継承」という基本コンセプトを軸に、より幅広い層にアプローチ。阪神タイガース、高校野球、阪神甲子園球場の歴史を一堂に集め、野球を通じて地域を盛り上げる施設づくりを目指しました。
事業主
阪神電気鉄道株式会社
オープン
2022年3月
所在地
兵庫県
業務範囲
施設コンセプト企画、展示企画、デザイン・設計、制作・施工

躍動・伝統・熱狂を体験する展示空間

【POINT1】始まりの一球:1915年の高校野球第1回大会で使用されたボールと、その後の日本高等学校野球連盟の最大加盟校数を示す4,253球を対比させ、象徴性を高めている

【POINT2】体験!タッチスタジアム:阪神タイガースの選手が実際に使用したバットやグラブに触れることができるなど、大人から子どもまで野球の熱狂を体験できる展示を増やした

【CLIENT INTERVIEW】
甲子園エリアを365日にぎわうボールパークに。

阪神電気鉄道株式会社 球場長代理  湯山佐世子 氏

阪神電気鉄道株式会社 球場長代理 湯山佐世子 氏
2010年の阪神甲子園球場リニューアルにおける甲子園歴史館のオープンから、丹青社さんとは長くお付き合いをさせていただいております。いつもこちらの意図を素早く汲み取り、熱意を持って対応してくださるので、今回のリニューアルでも丹青社さんにお声がけしました。
リニューアルに際して、甲子園エリアに試合が行われていない日も含めた“365日のにぎわい”をつくりたいという思いがあり、野球が好きな方だけでなくもっと幅広い方々に楽しんでもらえるような展示施設にしたいということをお伝えしました。それと同時に、甲子園球場は100年近い歴史をもつ野球場なので、その伝統を伝え続け、地域の皆さまにも甲子園球場の存在を誇りに感じてもらえるような歴史館にしたいと考えていました。
高辻さんをはじめとする丹青社の皆さんがその思いを共にし、最後まで妥協せず取り組んでくれたことで、どなたにも満足いただける施設になったと思っています。

【STAFF INTERVIEW:1】
「伝統・躍動・熱狂」をキーワードに、 野球ファンも野球に詳しくない方も楽しめる施設へ。

丹青社  デザインセンター デザインディレクター  高辻純哉

丹青社 デザインセンター デザインディレクター 高辻純哉
2010年のオープン時に打ち立てた「歴史と伝統、記憶の継承」というコンセプトを軸に、今回のリニューアルでは「伝統・躍動・熱狂」の3つのキーワードを設定。展示面積の拡大とともに、これまで足を運んでいただいていた野球ファンだけでなく、幅広いお客さまに楽しんでいただける施設を目指しました。「伝統」については、100年近くという世界的に見ても長い伝統をもつ甲子園球場の歴史を、魅力的に伝える展示スペースづくりや動線計画にこだわりました。「躍動」はその言葉の通り、野球の面白さやダイナミックさを余すことなく表現するために大型スクリーンによる映像や、大きな写真・グラフィックをふんだんに盛り込みました。そして野球ファンも野球に詳しくない方も、誰もが球場の雰囲気を肌で感じて楽しめる体験型の展示を増やすことで、「熱狂」を表現しました。

【STAFF INTERVIEW:2】
事業主さまと信頼関係を築き、にぎわいある施設を一緒につくることができました。

丹青社 文化空間事業部 プロジェクトマネージャー 山﨑竜也

丹青社 文化空間事業部 プロジェクトマネージャー 山﨑竜也
2019年に本件のお話をいただいてから、事業主さまの思いを具現化し地域に愛される施設になるよう、約1年の歳月をかけて設計しました。コロナ禍の影響でプロジェクトが一時中断し、オープンも1年延期となりましたが、その間も高いモチベーションを保って準備を進めることができたのは、事業主さまと丹青社が一つのチームとして同じ目標に向かって取り組めたからだと思います。新たに誕生した商業施設も含め、甲子園歴史館が地域を盛り上げる存在になることを願っています。

【STAFF INTERVIEW:3】
大人から子どもまで楽しめる施設を目指し、細部までこだわりました。

丹青社 文化空間事業部 制作 北山幸平

丹青社 文化空間事業部 制作 北山幸平
私は2012年から甲子園歴史館の企画展に携わらせていただき、今回のリニューアルもとてもワクワクしながら臨みました。曲線を生かしたデザインや随所に散りばめられた間接照明など、デザイナーがこだわったポイントをいかに解釈し、魅力的な空間に仕上げるか。図面だけでは伝わらない細部まで神経を張り巡らせ、つくりあげていきました。また、1,000点にも及ぶ展示資料はどれも唯一無二の大変希少性が高いもの。事前に取り扱い方法や注意点を共有しながら進めることを意識しました。

栄光のヒストリー:1935年から続く阪神タイガースの球団史を紹介。解説と展示物をシームレスに見られる構成で、伝統を視覚的に表現

ヒーロー列伝:阪神タイガースの永久欠番3選手をはじめ、球団史に残る名選手を紹介。大型映像や写真で躍動と熱狂を伝える

タイガースロード:阪神タイガースのチームカラー、黄と黒を対比させた空間に、往年の選手の名言や、球団創設以降の背番号の変遷を展示


動画「プロジェクトストーリー:OUR ANSWER」を見る

(YouTube「丹青社公式チャンネル」より)


※記載されている情報は、取材時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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