CROSS TALK

制作職対談

  • 吉岡 勢納

    制作職2022年入社

  • 田村 章全

    制作職2018年入社

丹青社の制作職とはデザインと現場をつなぎ、ユーザーファーストな空間を

田村
制作職の基本的な役割は、クライアントの理想とする空間を安全かつ高品質に納めることです。そのために社内のデザイナーやプランナーと密にコミュニケーションを取りながら、協力会社さんや職人さんに意図や指示を正確に伝えます。単なる情報の横流しではなく、現場ならではの視点から指揮をとる。例えば扉の使い勝手や導線など、図面だけでは読み取れなかった、現場で働いているからこその気づきを大切にしています。私はオフィス空間を担当することが多く、デザイン以上に実用性が重視される分野です。業務を遂行する上での使い勝手やメンテナンスのしやすさなど、クライアントにとって快適なオフィス空間とは何かを考えながら、日々現場に向き合っています。
吉岡
私は主に文化空間に携わっており、日常的な空間であるオフィスとは対照的に、博物館や美術館など非日常的な空間を扱うことが多いです。非日常を演出するためには、徹底的にノイズとなるものを排除する必要があり、そこが制作職の腕の見せ所だと思っています。例えば、展示物のケースに光の反射が映らないように照明の配置を変えたり、壁に貼るクロスの継ぎ目が目立たないように位置を調整したり。来場者が展示物に集中できるよう、細かい部分までこだわっていますね。
田村
たとえエンドユーザーに気づかれなくとも細部までこだわり抜くのは、プロジェクトの領域にかかわらず丹青社の制作職に共通している部分かもしれないですね。オフィス空間においても、壁や天井裏、什器の建具一つまで徹底的にこだわります。かっこいいだけのデザインなら他社でもつくれるかもしれませんが、丹青社として依頼を受けるからには、細部までクオリティを追求することが私たちの使命だと思っています。
吉岡
気づかれなくとも細部までこだわるのは大事だと思いつつ、そのこだわりに対して良い反応をもらえた時はやっぱり嬉しいですよね。携わった施設の口コミをよく見るのですが、こだわった部分を褒めてもらったり、楽しんでもらっている感想を見ると、仕事のモチベーションになります。
田村
計画から引き渡しまで数えきれないほど出てくる課題を一つひとつみんなでクリアした上で、実際に空間を使っているクライアントやエンドユーザーの姿を見た時の達成感や感動は言葉では表せないですよね。この仕事ならではのやりがいだと思います。

満たせ、はみ出せ。

仕事をする上で大切にしていることユーザー視点を常にもち、最適な空間を模索しつづける

吉岡
普段まったく別の分野に携わっている田村さんに、仕事をする上でのこだわりについてお聞きしたいです!
田村
現場に立つ者として、エンドユーザーへの気遣いは徹底するように心がけています。基本的にはデザイナーから上がってきた図面に沿って施工を進めますが、つくっている過程でわかることもたくさんあって。あるショップの制作で、趣向を凝らしたデザインの扉をつくったとき、つくりが特殊なあまり小さなお子さんだと使いづらいのではないかと、その取手の下に子ども用の取手をつくることを提案したんです。一度扉をつくってからの変更だったので工程の再調整は大変でしたが、結果的に大人から子どもまで快適に使える扉に仕上がりました。
吉岡
必ずしもデザイナーから上がってくるデザインが実用性に直結するとは限らないからこそ、制作職がユーザー視点を常に持っておくことが大事ですよね。
田村
本当は図面の段階でエンドユーザーの使い勝手まで含めて調整するのが理想ですが、やっぱり現場でないと気づけないことも多いですから。でも、そういった発見や失敗を積み重ねることで、次のプロジェクトから事前にデザイナーとすり合わせることができるので、気づいたことはどんどん言うようにしていますね。
吉岡
私もデザインのすり合わせ段階では、図面を書いていない第三者目線で意見を言うようにしています。デザイン性を追求するあまり頭がぶつかる位置に装飾があるといったケースもあるので、実用性以外に安全性の観点を持つことも制作職の重要な役割ですね。
田村
吉岡さんが仕事をする上でこだわりや大切にしていることはなんですか?
吉岡
答えが一つだと思い込まないことですかね。施工中はあらゆる装飾が無事に空間に納まるかどうかに意識が行きやすい中、「本当にこの方法が最適解なのか?」という問いを常に持つようにしています。「壁にパネルをつける」という要件を達成するために、パネルを壁に貼ることもできるし、天井から吊るす方法もある。最終的には使い勝手を基準に方法をジャッジしますが、最適解を導くために答えを複数個持っておくことを大事にしています。特に文化施設は工期が長いので、可能性がある方法は必ず試していますね。
田村
最適な方法を考える時にたくさんのアイデアを出せると、クライアントや現場からの信頼にもつながりますよね。アイデアを出すためには知識量が必要なので、日頃から街中の内装からインプットすることが大事だと思います。どんな施工方法でつくられているのか、どのような道具を用いているのか。いろんな角度から疑問を持ちながら空間を見ると、おのずと知識量も増えていくと思います。

制作職としてのはみ出し方「制作職」にとらわれず、チャレンジの幅を広げていく

吉岡
今回の採用サイトのコンセプト「満たせ、はみ出せ。」にちなんで、制作職としてこれからどのような「はみ出し」をしていきたいですか?
田村
私は「制作職は現場で制作職の仕事だけをやればいい」ではなく、他の職種の領域にもどんどん食い込んでいって良いと思っています。デザイナーに対して制作職からデザイン提案をしても良いし、クライアントから密に連絡をもらうような信頼関係が築けたなら、制作職から営業しても良い。制作職は丹青社の中で一番現場のことをわかっている職種だからこそ、それを強みにいろんな領域にはみ出していけると思うし、私自身もそうしていきたいと思っています。
吉岡
丹青社としてプロジェクトの幅が広がりつづけているからこそ、「制作職はこの仕事をする」という固定観念を持ってしまうのはもったいないですよね。私自身、入社前は一般的な展示空間の内装に携わると思っていましたが、実際に入社してみるとクライミングウォールを制作したり、大型壁画を展示空間に運んだりと、想像以上に多様なプロジェクトに関わってきました。いろんなプロジェクトに携われる環境だからこそ、「自分の仕事はこれだ」と決めつけずにできることはなんでもチャレンジしていく。丹青社は社員のやりたいことを応援してくれる社風のある会社なので、やりたいことをどんどん発信していけば、自然と自分の枠からはみ出していけると信じています。