PROJECT

新しい時代の空間づくりに挑む。
サステナビリティにおける丹青社の現在地

サステナビリティ
プロジェクト部

PROJECT OUTLINE

持続可能な社会の実現に向けた取り組みは、今や世界中で当たり前となった。日本でも環境に配慮した商品やサービスを選択する消費者が増加傾向にある。空間設計のプロフェッショナルとして、丹青社はサステナブルな社会の実現にどう貢献できるのか?この問いに挑むのは、サステナビリティプロジェクト部の片倉。サステナビリティへの配慮が、丹青社にとって当たり前になることを目指して挑戦を続けている。その現在地について取材した。

制作職を経て、
サステナビリティプロジェクト部へ

2011年に入社して以来、制作職として保育園やホテル、飲食店などの施工管理を担当していた片倉。転機となったのは、2019年から2021年までの約3年間で経験した、大規模スポーツイベントの運営委員会への出向だった。イベントの成功を共通の目標に、民間企業、官公庁やフリーランスなど、多様なメンバーと取り組む仕事に強く刺激を受けたのだという。
「出向先での経験は、私にとって視野を広げる貴重な機会でした。さまざまな企業等から集まったプロフェッショナルたちと交流したり、互いの仕事について語り合ったりする中で、改めて丹青社の魅力や社会に与える影響の大きさを客観的に見つめ直すことができたんです。この経験を通じて『自分が丹青社でできることをもっと増やしたい』という思いが強くなりました。これまでは制作職として専門性を深めてきましたが、それを軸にしながらもっと横断的に知識やスキルを広げ、多角的に社会に貢献したいと考えるようになったんです」
帰任後、片倉はかねてより興味を持っていた新規事業を扱う他部門への異動を上長に相談。そこで、社内で新しくサステナビリティに取り組むチームがあることを知った。当時、丹青社全体としてサステナビリティへの意識を高め、取り組みを強化していきたいと考えていた時期だった。 「制作職で培った経験を活かしながら、以前から漠然と興味を抱いていたサステナビリティという新たな領域で仕事に関わっていく。そうすることで、仕事への新たな関わり方を模索できるのではないかと考え、このチームへの異動を決意しました」

満たせ、はみ出せ。

満たせ、はみ出せ。

サステナブルな空間を目指して、
実証実験に挑む

これまで携わったプロジェクトで印象に残っているのが、terminal.0 HANEDAで実証実験中の「サステナブルトイレブース」だ。
※参考:プレスリリース
terminal.0 HANEDAとは、2024年2月に羽田空港を運営する日本空港ビルグループが中心となり生み出した、研究開発と実証実験を行うためのR&Dとコワーキングの拠点である。日本中の企業が技術やノウハウを持ち寄り、人のこころを動かすためにできることを日々追求している。丹青社も参画しており、DAIKEN株式会社と共にサーキュラーエコノミー(循環型経済)に関する実証実験を2025年7月1日より開始した。
「この実証実験においては、DAIKEN株式会社の建築解体材、製材所の再・未利用木材を再資源化した『インシュレーションボード』と株式会社ワークスタジオの廃棄衣類繊維を原料とした繊維リサイクルボード『PANECO ®』を組み合わせ、再生可能なボードを制作。terminal.0 HANEDA内のトイレブースの扉や壁・カウンターとして施工しました。トイレブースは大掛かりな改修工事を伴わずに設置・撤去作業が可能なことが多く、誰もが使用する設備であることから、利用者の気づきを生み、サステナビリティへの意識醸成を促せるのではないかと考えています」

トイレブースを製作するにあたって立てられたコンセプトは「つながる」。一人ひとりがサステナビリティを意識することで、環境に配慮したさまざまなアクションにつながるきっかけが生まれる。それら一つひとつがつながることで、持続可能な社会に少しずつ近づいていく。「つながる」という言葉には、そんな想いが込められているという。コンセプトを表現するために、デザインにもこだわった。扉の外側には「つながる」を連想させる有機的な意匠になっていて、扉の内側にはサステナビリティへの意識醸成を促すメッセージが書かれている。デザインの力によって、素材というハード面だけでなく、人の心に訴えるソフト面でも共感を生み出すことを狙いとしている。

「丹青社の強みは、エンドユーザーにとってより身近な空間をデザインできること。空間をメディアとして捉え、クライアントのメッセージを発信・体現する場として、この強みをサステナビリティという側面でも活かしていきたいです」
ここをスタートに取り組みを発展させていきたいと、片倉は語る。
「terminal.0 HANEDAでの取り組みはあくまで実証実験。現在、ボードの強度や耐水性等を検証しており、実用化に向けた課題を洗い出しているところです。今後は空港や大型商業施設等への導入を目指し、引き続き関係各所と議論を進めていきます。この実証実験で得た気づきを次に活かすことが重要だと思っています」

丹青社のスタンダードになることを目指して

片倉は社内の意識醸成にも積極的に取り組んでいる。2023年から開催している社内イベント「サステナビリティソリューションアワード」は、サステナビリティに大きく貢献している事例や、サステナビリティ分野において期待が高まる事例を表彰する取り組み。また、表彰式の後にはオンラインで社内セミナーも開催しており、入賞した物件を担当した社員が、サステナビリティへの取り組みや工夫などを会社全体で共有する。前回は200名以上の社員が参加した。
昨年グランプリを受賞したのは、あるアパレルブランドの施工案件の事例だ。持続可能な社会に向けた取り組みに積極的なクライアントのため、店舗開発において内装に使用する建材にも強いこだわりを持っている。丹青社は、クライアントと共に開発した環境に配慮したオリジナル建材等をベースに空間を施工。また、別店舗で使用されていた店舗什器等をリメイクして新店舗の内装に取り入れ、サステナビリティに配慮しながら、クオリティの高い空間を実現した。
「このクライアントのように、サステナビリティに対する意識の高い企業と店舗開発に取り組み、満足いただけたこの事例は、丹青社の知見向上や意識醸成にもつながります。これからもお客さまと共に、できることを模索していきたいです」
これまでの丹青社は、サステナビリティに関連した情報の連携が少なく、他部署がどのような仕事をしているか、何に課題を感じているのかが分かりづらい環境にあった。入賞した事例を社内にしっかり共有していくことで、事業部を超えた連携につながると考えた片倉。この取り組みが新しい発見や挑戦の機会につながればと語る。

「将来、空間づくりにおいてサステナビリティに関する施策が当たり前に盛り込まれるくらい、サステナビリティへの意識がスタンダードになればいいなと思います」
空間づくりにおける常識は目まぐるしく変化している。これからの時代に求められる空間をつくり続けるためには、サステナビリティへの配慮は必要条件だろう。丹青社が新しい時代における空間づくりを実践していくために、片倉の挑戦はこれからも続く。

満たせ、はみ出せ。

満たせ、はみ出せ。