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台東区を舞台に下町の記憶を辿り、かつての街の風景や情緒を想起させる
撮影:株式会社 ナカサアンドパートナーズ
| 概要 | 上野公園エリア・不忍池畔に位置する民俗資料館の展示改修計画。台東区を舞台とし、明治時代から昭和中期にかけての下町の歴史や文化をテーマに、既存の原寸大再現展示を再整備し、街並みの映像演出や、当時の生活道具を一堂に展示する新たな空間を創出。世代を問わず、下町の記憶を辿ることができる施設を計画しました。 |
|---|---|
| 課題・テーマ | 急速にデジタル化が進む現代において、かつての下町の暮らしに触れる体験は、重要な意義を有しています。本計画では、“人と人とのつながり”や“暮らしの温もり”といった記憶を呼び起こす空間の創出を目指しました。 |
| 解決策・実現策 | “当時の記憶”や“生活の空気感”を感じ取れる展示構成とすることで、来館者が下町の暮らしに没入し、体感できる空間を目指しました。仕上げには粉砕したかつての瓦を左官材に混合して用いるなど、実在した素材の記憶を継承し、サインには琺瑯看板をモチーフとした意匠を採用。素材や形状を通じて過去の街の風景や情緒を想起させ、かつての活気ある生活と現代との接点となる場の創出を図りました。 |
| 環境配慮設計 | 3R設計:展示更新にあたり、廃棄物の発生抑制と資源の有効活用を図りました。具体的には、従来の展示で使用されていた廃棄される資料の一部を粉砕し、左官材として再活用。また、廃棄予定であった瓦を同様に再資源化し、内装仕上げ材として取り入れました。これにより、廃材の再利用を通じて廃棄物の削減に寄与するとともに、素材に宿る歴史や記憶を空間に織り込み、下町の情緒を感じられる環境を実現しました。 |
デザイン・設計
橋本 旬平
地域に向き合い、文化的文脈を掘り起こすことで、空間デザインの意味と価値を高めることに注力している。主に博物館や資料館等を手がける。
主な実績
※実績紹介に記載されている情報は、掲載時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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