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「B-OWND」ヴェネチア・ビエンナーレ2026公式サテライトイベントにて企画展を開催します

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丹青社がサービスを提供するアート・工芸作品のプラットフォーム「B-OWND(ビーオウンド)」は、2026年5月9日(土)よりイタリア・ヴェネチアで開催されるヴェネチア・ビエンナーレ2026の公式サテライトイベント「Personal Structures(パーソナル・ストラクチャーズ)」に参加し、歴史的建造物パラッツォ・ベンボ(Palazzo Bembo)にて企画展『Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected(関係の論理 — 二元論を超え、結び直される世界)』を開催いたします。

本展示では、B-OWNDが全体のキュレーション/プロデュースを行い、空間デザインを担い、日本の工芸をバックグラウンドに持つ6名のアーティストと1つのアートコレクティブ、さらに特別協業として集英社マンガアートヘリテージを迎えた全7室の大規模な展示を展開します。

イベントキービジュアル

 

取り組みの背景

「Personal Structures」は、ヨーロピアン・カルチュラル・センター(ECC)が主催し、ヴェネチア・ビエンナーレと同時開催される国際的な現代美術展です。今回、B-OWNDのこれまでの活動と掲げるテーマが、本展の全体テーマ「Confluences(合流)」と深く共鳴したことから、ECCより正式な招待を受け、日本人キュレーターおよび日本のギャラリーとして稀有な出展機会を得ることとなりました。

丹青社は、「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、長年にわたり日本の文化空間づくりに携わってきました。一方で、日本の伝統工芸産業は後継者不足や市場縮小といった課題に直面しています。丹青社は、B-OWNDを通じて工芸アートの価値を再定義し、世界のアートシーンへ発信することで、文化の担い手の育成と産業の活性化に貢献することを目指しています。本展示は、これまでの取り組みの集大成として、日本の美意識を起点とした新たな評価軸を世界へ提示する挑戦です。

ニュースリリース

アート・工芸作品のプラットフォーム「B-OWND」、ヴェネチア・ビエンナーレ2026公式サテライトイベントにて企画展を開催PDF

展示会 開催概要

展示会名 「Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected」
(和訳:関係の論理 — 二元論を超え、結び直される世界)
イベント名 Personal Structures 2026
(ヴェネチア・ビエンナーレ2026 公式サテライトイベント)
会期 2026年5月9日(土)~11月22日(日)
会場 Palazzo Bembo(Riva del Carbon, 4793, 30124 Venezia VE, Italy)
主催・企画 株式会社丹青社 B-OWND
協力 集英社マンガアートヘリテージ、TeaRoom、他
問い合わせ先 B-OWND mail:info@b-ownd.com

会場:歴史と芸術が交差する「パラッツォ・ベンボ」について

会場となる「パラッツォ・ベンボ(Palazzo Bembo)」は、リアルト橋を臨むカナル・グランデ(大運河)沿いに位置する歴史的建築です。15世紀に完成した壮麗なヴェネチア・ゴシック様式を代表する歴史的建築です。ヴェネチア屈指の名門貴族ベンボ家の邸宅として、ルネサンス期には多くの文化人が集った場所でもあります。ビザンチン様式のポータルからルネサンス様式の大階段まで、多様な歴史が重層的に刻まれたこの宮殿は 、2011年よりヨーロピアン・カルチュラル・センター(ECC)の拠点となり、現在は世界中の現代アートや建築が交差する国際的な文化発信の場として開かれています 。本展では、この由緒ある宮殿の2階・メインエリアを使用します 。数百年刻まれた歴史の重厚さと、日本の革新的なアート工芸の表現が衝突・融合するサイトスペシフィックな空間を創出します。

Palazzo Bembo, ECC Italy, ©Federico Pilli

展示コンセプト:『Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected』について

 現代社会は、「善か悪か」「自然か人工か」といった二項対立(二元論)によって分断されがちです。本展は、こうした近代的な「分別」の制度を問い直し、東洋古来の「縁(関係)」や「空(くう)」の思想に基づき、分断された価値を再接続する試みです。鑑賞者は、パラッツォ・ベンボの7つの展示室を巡るプロセスを通じて、「分けて理解する」見方から「関係を捉え直す」見方へと移行し、境界が溶け合う新たな美の体験を目撃します。

展示構成と参加アーティストについて

【Room 1|関係の生成 — 鑑賞から参加へ】

Art Collective TeaRoom 集英社マンガアートヘリテージ × 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』

500年以上の歴史を持つ茶の湯を再解釈する「TeaRoom」によるインスタレーションと茶会を通じ、鑑賞を参加へと反転させます。さらに、特別協業としてマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』のアート作品が同席。伝統とポップカルチャー、ハイアートとローアートという対立を超え、価値の発生条件を多層化させます。

【Room 2|普遍への儀礼 — 錬金術とアニミズムの交差】

今村 能章(陶芸)

重力と熱という自然法則に委ねる制作プロセスにより、用途と鑑賞の境界を揺るがす作品群を提示。西洋的な錬金術と東洋的なアニミズムが融合した、新たな儀式の場を創出します。

【Room 3|NEO WABI-SABI — 静謐と過剰の肖像】

古賀 崇洋(陶芸)

「わびさび」の静謐さと「婆娑羅(ばさら)」の華美さを融合させた「NEO WABI-SABI」を提唱。無数のスタッズ(突起)に覆われた《頬鎧盃》と鎧の造形を通じ、現代社会を生き抜くための力強い美を提示します。

【Room 4|記憶の積層と解放 — 「FLAT」な地平へ】

酒井 智也(陶芸)

ロクロ技法を用いて、意識と無意識の往還を可視化。記憶を媒介に既成のイメージや価値づけを解体し、生命も世界も本来は等価(FLAT)であるという視座をインスタレーションとして表現します。

【Room 5|Flower Funeral — 鎮魂と再生の銀】

高橋 賢悟(金工)

数万輪の生花を原型とし、厚さ0.1mmのアルミニウムへ置換する「花鋳込み」技法を用いた頭蓋骨の作品を展示。生と死、儚さと永続という二項対立を無効化し、死を巨大な循環の一部として提示します。

【Room 6|Your Ark — 祝祭と非常事態の二重奏】

中村 弘峰(人形)

伝統的な「雛壇」を転用し、祝祭と非常事態(エマージェンシー)が同居する空間を構築。人間と動物、聖と俗が混在する「方舟(Ark)」をモチーフに、現代社会における選択と救済の意味を問いかけます。

【Room 7|The Way of Interbeing — 空(くう)の道】

四代 田辺竹雲斎(竹工芸)

竹によるサイトスペシフィックな巨大インスタレーションが、歴史的建築を侵食し再構築。仏教的な「空(くう)」をテーマに、内と外、人と自然、過去と未来をつなぐ「道」を出現させ、すべての存在が響き合う世界を表現します。

丹青社 B-OWNDプロデューサー 石上 賢 コメント

B-OWNDは、今年で7年目を迎えます。これまで国内外で工芸とアートの境界を拡張するさまざまな実験を繰り返してきましたが、本展はその集大成であり、過去最大のプロジェクトです。近代が推し進めてきた『分断』の制度を問い直し、東洋古来の『縁』や『空』の思想によって世界を結び直すこと。それが本展のテーマ『関係の論理』です。この壮大な挑戦は、参加アーティストや協力企業をはじめとする多くの皆さまの多大なるご支援により実現へと至りました。重層的な歴史が交差するヴェネチアの地から、二元論を超えた日本の美意識と文化の新たな可能性を、世界のアートシーンへ向けて力強く発信していきます。

European Cultural Centre – Italy Co-Director, Head of Art サラ・ダニエリ氏 コメント

B-OWNDは、日本の工芸を起点に伝統や革新技術、関係性の美学を統合し、世界に響く表現へと昇華させる類まれなキュレーション能力を有しています。過去と未来、テクノロジーと人間の感性を結ぶその使命は、対話と共存を生み出すという私たちの理念と完全に一致しました。大陸間の架け橋として歴史を刻んできたヴェネチアの由緒あるパラッツォ・ベンボにおいて、B-OWNDが空間全体をキュレーションし、生きた対話の場を創出することは極めて重要です。この卓越した展示は、単なるプロジェクトを超え 、理論ではなく実際の美的な体験を通じて、東西を結ぶ『新たなヒューマニズム』を提示するものであり、一過性ではない長期的な同盟として、世界に向けて強いメッセージを発信できると確信しています。

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