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空間デザインと星景写真。その両輪が自分らしいクリエイティブを加速させる −スキをシゴトに! #2−

インタビュー

「仕事を楽しむ」をバリューの一つに掲げる丹青社では、個性豊かな趣味を持つ社員が多く活躍しています。インタビューシリーズ「スキをシゴトに!」では、自身の好きなものや得意なことを仕事につなげ、領域を拡張している社員にクローズアップ。第2弾となる本記事では、星景写真家としても活躍するチーフクリエイティブディレクターの眞田に話を聞きました!

SPEAKER

眞田 章太郎
デザインセンター 関西デザイン局 チーフクリエイティブディレクター
米国の大学を卒業後、ニューヨークの設計事務所でデザイナーとして働いた後、2007年に丹⻘社⼊社。ホテル・物販店・飲食店などの商業施設を中心に、オフィスやオフィス、文化施設など多岐に渡る空間デザインを担当。約10年前から星景写真の撮影を始める。最も印象に残っている星景は北海道上士幌町のタウシュベツ橋梁跡。

              X(旧Twitter):@susanoo_harlock
              Instagram:@susanoo_harlock

まずは、丹青社への入社の経緯を教えてください。

前職ではニューヨークの設計事務所でデザイナーとして働いていたのですが、完全分業体制だったため、自分がデザインしたものが、工程が進むにつれて次々と他部署へ渡り、自分の手から離れていく状況にもどかしさを感じていました。そんな中、ニューヨークの書店でたまたま手に取った日本の建築雑誌に、1から10まで一貫して手がけている方のインタビューが掲載されていて、最後まで責任を持って空間に向き合う姿勢に強く惹かれたんです。このままアメリカにいるよりも、日本に戻った方が自分のやりたいことに近づけるのではないか。そう思い、帰国を決めました。

その後丹青社への入社を希望したのは、一人ひとりのデザイナーが責任を持って自分のデザインをかたちにできる環境と、それを社内外のプロフェッショナルと協働しながら納めるところまで関われる点に魅力を感じたためです。今振り返れば、雑誌を読んですぐに帰国を決め、その後迷わず丹青社に入社するなんて我ながら行動力があるなと思います(笑)。ただ、高校時代の交換留学をきっかけにアメリカの大学に進学したり、空間デザインへの興味から学部を変更したりと、学生時代から行動力だけはあった気もします。そうした勢いが今の自分につながっているように思いますね。

では、そんな眞田さんの好きなものを教えてください!

地上の風景と星空を一枚の画面の中に収めて撮影する、星景写真です。星空のみを写した天体写真とは違い、地上の風景も含めて一つの作品とするところがポイントです。10年ほど前、何気なく観たテレビ番組で、長野県の阿智村が日本で最も星空がきれいに見える場所として紹介されていたことがきっかけでした。当時はドライブが趣味だったので、週末に一人で阿智村を訪れてみたところ、ちょうど新月のタイミングだったこともあり、これまで見たことがないほどの星空が広がっていて圧倒されたんです。なんとかこの景色を記録に残したいと思い、当時使っていたスマートフォンで撮影しようとしたのですが、まったく思うように撮れず。これは一眼レフでなくてはダメだと分かり、ボーナスが出たタイミングですぐにカメラを購入しました。

それからは毎日のように各地へ出かけて撮影する生活が始まり、仕事終わりに車で山へ向かい、夜が明けるまで撮影してそのまま出社するという日々を過ごしていました。今振り返るとかなり無理のある生活でしたが、当時は楽しくて仕方なかったんですよね。暗闇で音楽を流しながら撮影しているとファンタジーの中に入り込んだような感覚になる一方、数時間後には満員電車に揺られて仕事に向かうわけで、そのギャップが心地良かったのを覚えています。

普段の仕事は一人で完結するものではなく、相手の気持ちをくみ取ったり調整したりすることが不可欠ですが、星景写真はどこまで追い込むかも含めてすべて自分で決められる。周囲と関係を築きながら進める仕事と、自分の判断で突き詰められる星景写真とを行き来することで、うまくモチベーションのバランスが取れていたのだと思います。

北海道「タウシュベツ橋梁跡と天の川銀河」

ニュージーランド テカポ「良き羊飼いの教会」

阿蘇 草千里「ペルセウス座流星群の夜」

星景写真の活動を活かせた仕事を教えてください!

GENSEN HOLDINGS 株式会社さまが展開する温泉リゾートホテル「TAOYA」の一号店である「TAOYA 志摩」を手がけた際のことです。敷地内に、元々チャペルとして利用していたオーシャンビューの綺麗な建築があったのですが、どう活用すべきか皆頭を悩ませていたんですよね。卓球場などいくつか案は出ていたのですが、どれも決定打にはならず、この空間が持っている良さを十分に活かしきれていないのではないかと感じていました。天井まで続く大きなガラス窓があり、その先に広がる景色と相まって独特の世界観を持っている空間だったので、その雰囲気を前提にした使い方を考えるべきだと思ったんです。

そこで、自分がこれまで撮ってきた星景写真を見せながら「この場所をギャラリーとして使うのはどうでしょうか」と提案したところ、お客さまにとても喜んでもらえたんです。志摩は星がきれいに見える地域だったこともあり、実際に志摩で撮影した星景写真を展示する「スターダストギャラリー」としてオープンすることが決まりました。

オープン後は想像以上に反応があり、恐縮ながら私の写真のファンの方々が聖地として訪れてくださることもあるそうです。また、今でも写真の入れ替え依頼をいただくなど、お客さまにも満足いただいている実感があります。「好き」が仕事で機能する手応えを、初めて明確に感じたプロジェクトでした。

スターダストギャラリー

好きなことを仕事につなげられたのはなぜだと思いますか?

大きく二つあると思っていて、一つはお客さまとの関係構築ができていたためです。ここでいう関係構築は単に仲良くなるということではなく、本質的に意味のある提案を行い、その必要性を丁寧に説明した上で期待を超えるアウトプットを出し続けたことで、少しずつ信頼関係を築いてきたという意味です。TAOYAのプロジェクト以前から大江戸温泉物語さまとはお付き合いがあったのですが、初期から継続して信頼を積み重ねてきたからこそ、今回のような提案も快く任せていただけたのではないかと思います。

もう一つは、丹青社が社員の「好き」を後押しする会社であるためです。「仕事に趣味を持ち込むな」という会社もあるかもしれませんが、丹青社はむしろ「もっとやれ」と応援してくれる。僕のほかにも、自分で描いたイラストをデザインに取り入れたり、「好き」を仕事につなげている人が何人もいます。仕事と趣味を完全に分けるのではなく、シームレスにつなげることを良しとしてくれる環境があるからこそ、趣味を活かすという選択肢が自然と出てきたのではないでしょうか。

それでは最後に、今後の展望や目標を教えてください!

今後は「クリエイター」として、より広い意味でさまざまな表現に関わっていきたいです。もちろん仕事としてはデザインに軸足を置いていますが、星景写真についても10年以上続けてきたため、その両方を掛け合わせながらさらに新しい領域にも踏み出していきたいと思っています。というのも、社会全体でボーダーレス化が進む今、一つの領域に閉じこもらずに複数の領域を横断し、多様な視点を掛け合わせて価値を生み出していくことがより重要になっていくはずだからです。特に空間デザインは人と人とのリアルなつながりを生む場をつくる行為であり、今を生きる人々の生活や気持ちを解像度高く想像する力が必要不可欠なため、多様な視点を持つことがより良い空間をつくることに直結すると考えています。

実際、星景写真の活動をしていると普段の仕事では出会えない人と対話する機会が多く、自分の視野やアイデアの幅が広がっていく実感があります。つまり、空間デザインの仕事と星景写真家としての活動は切り離されたものではなく、互いに影響し合って価値を高めていく関係にあるということ。最近は映像にも興味が出てきたので、次の10年はそうした領域にも挑戦しながら、自分の中にある表現の幅を広げていきたいですね。空間デザイン、写真、映像といった複数の軸を行き来しながら、自分なりのクリエイティブをより深めていければ嬉しいです。

本日はありがとうございました!

  

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