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【創造ノオト No.04】松本 康靖「どんな時代でも『丹青社で働くこと』が誇りである状態にしたい」

インタビュー

丹青社創業80周年を記念した特別シリーズ企画「創造ノオト」。過去から現在までの回顧録ではなく、20年後の100周年に向けた自由な構想を一人ひとりが語ることで、丹青社が生み出していく未来を共有する企画です。その構想は、ノートの片隅に書いた個人的なメモのようなもの。けれど時に、そのメモが社会を変えるアイデアのタネになるかもしれません。20年後の未来に向けて、社員は何を思い、何を企てているのか。第4回は、事業開発センターでR2プロジェクト室長を務める松本康靖の「創造ノオト」を覗いてみます。

SPEAKER

松本 康靖株式会社丹青社 事業開発センター 事業開発統括部 R2プロジェクト室/室長
2007年に制作職として丹青社に入社。2011年にプランナーに転身し、展示会や企業ミュージアムの企画に携わる。その後は企画開発統括部(事業開発センターの前身)で新規顧客開拓と新規事業開発に従事し、2020年にR2を立ち上げる。

どんな時代でも「丹青社で働くこと」が誇りである状態にしたい

20年後の丹青社100周年を見据えた特別企画ということで、未来から逆算してお聞きしたいと思います。2046年に、どんなことを実現していたいですか?

20年後となると私は再雇用間際の年齢になっています。ですので、自分がその時に何をしていたいかというよりも、丹青社がどんな状態であったらうれしいかを考えました。そこで浮かんだのが、どんな時代でも「丹青社で働くこと」が誇りである状態であってほしい、ということです。丹青社は働く環境のアップデートを続けていますし、バリューの一つに「いまの先に挑む」が掲げられていることもあり、新しいことに挑みやすい空気があります。自分たちで仕事を選んでいける感覚もあります。この状態をこれからも続けていくことが大切だと思うからこそ、そういう思いに至りました。

だからこそ新規事業開発に携わる部に異動となってからは、景気に振り回されにくい事業を追求したいと考えるようになりました。安定した収入源があれば、会社としても安心して事業を続けていける。社員も目の前に来た仕事をこなすだけではなく、自分たちが本当に向き合うべき仕事を選べるようになります。丹青社にはデザイン力を強みに持つクリエイターがたくさんいるので、そうした環境をつくることができれば、一人ひとりの力をより発揮しやすくなるのかな、と。そしてその実感が、働くことの「誇り」つまり自分の仕事に意味を見出せている状態につながっていくのではないでしょうか。安心して働けること、自分たちで仕事を選べること、そしてその仕事の意味を自分の言葉で語れること。100周年を迎えたときも、そうした誇りを社員一人ひとりが持ち続けられる会社であってほしいと思います。

「失敗」が価値として認められる文化をつくりたい

そうした創立100周年に向けた構想を実現するために、それまでの歩みの中でどんなことをしていきたいですか?

100周年の時点で「丹青社で働くことが誇りである状態」にするには、現在のように組織として健康な状態を維持しつつ、少しずつ会社をアップデートしていくことも大切になってくると思っています。そのためには、失敗が価値として認められる文化をつくっていくことが重要ではないでしょうか。そしてその文化づくりにおいて、事業開発センターは大きな役割を担えるのではないかと考えています。というのも、丹青社の本業ではオープンに間に合わなかったり事故を起こしたりすることはあってはならず、失敗が許されない場面がほとんどです。これは空間づくりを担う会社として当然のことですが、一方で新規事業では毎日のようにうまくいかないことがあり、そのたびに方向転換をしたり構想を設計し直したりしています。試行錯誤を重ねながら進んでいくことが前提になっている部分があります。つまり、同じ会社の中に「失敗を避けなければならない文化」と「失敗が価値になる文化」が共存しているという状態です。この二つの文化がうまく混ざり合っていけば、丹青社はさらに進化できるのではないかと思っています。事業開発センターが両方の文化をつなぎ、うまくいかなかった経験からどのようなことを学んだかを共有したり、失敗を悪いものと決めつけずにまずは挑戦してみる姿勢を社内に広げていけたら嬉しいですね。

例えば事業開発センターでは以前、クローズした事業について共有する発表会を行ったことがあります。事業を止める判断をした経験を担当者だけに留めるのではなく、なぜ継続が難しかったのか、そこから何を学べたのかを共有する機会になりました。今後はこうした取り組みを部内だけではなく会社全体にも少しずつ広げていけたらよいと考えています。失敗を恐れずに新しいことに挑戦できる。思うように進まなかった経験も、次の挑戦を支える知恵として共有されていく。そんな空気感が少しずつでもつくれていけば、丹青社の視野や事業の可能性も、自然と広がっていくと思います。そうした小さな挑戦の積み重ねが、一人ひとりの働く誇りにつながっていくのかもしれません。

2030年までに、都心の中小規模ビルを再活性化する「R2プロジェクト」を安定した事業の柱に育てたい

丹青社が創立100周年を迎える2046年、それに向かうまでの構想をお聞きしました。さらに直近で取り組みたいことはありますか?

直近で取り組みたいのは、R2(Real-estate Revitalization/不動産再活性化)プロジェクトを丹青社の事業の柱の一つに育てていくことです。R2プロジェクトとは、築古不動産を丹青社のデザイン力を活かしてリノベーションし、再活性化する事業です。「ビルを百年使う」をコンセプトに、築古ビルを新築ビルと同等の機能で、かつサステナブルなビルにバリューアップして提供しています。この事業は、保有期間中にテナントからの賃料収入を得つつ、最終的には売却して利益を確定させるというサイクルが前提のビジネスモデルです。つまり、本業とは全く違う軸で、こうした不動産事業のサイクルを継続的に回していけるようになれば、結果的に経営の安定にもつながっていくと考えています。R2プロジェクトに限らず、景気に左右されにくい事業を大きくしていくことができれば、会社としても安心して働ける基盤をつくることができ、社員も自分が本当に向き合うべき仕事を選びやすくなるのではないでしょうか。

R2プロジェクトが正式に事業化したのは2024年ですが、現在では手がける棟数も着実に増え、社内外での認知も少しずつ高まってきた実感があります。これまで大々的に発信してきたわけではありませんが、「どこに頼もうか調べていたら丹青社さんが出てきた」とご相談をいただいたり、お付き合いのあるお客さまから「そういうプロジェクトもやっているらしいね」と声をかけていただいたりすることも増えてきました。さらに最近は、新築ではなく既存の物件を取得して活用したいという事業者さんも増えており、ニーズの高まりを感じています。

ただ、市場が大きくなっているということは参入事業者が増えていく可能性があるということ。すでにノウハウを持つ事業者の方がスピード感を持って進めていく可能性もあるため、自分たちがやるべき領域を見極めていきたいです。ただし、どんな物件でも手を出すわけではありません。建て直した方が地域にとって良い物件や、再開発によって社会全体に価値が生まれる物件であれば、無理にR2プロジェクトが関わるべきではないと思っています。あくまで既存の物件を生かすことに意味があるものに取り組みながら、丹青社の柱の一つとなるような大きな事業へと育てていきたいです。

「失敗」の棚卸しをしたい

それでは最後に。100周年に向けた構想を実現するために、まずは今日から始めたい、創造の第一歩を教えてください。

まず取り組みたいのは、R2プロジェクトの歩みを一度きちんと振り返り、失敗の棚卸しをすることです。先ほど、失敗とそこから得た知見を共有していきたいと話しましたが、R2プロジェクトにおいては、迷ったことやうまくいかなかったことを十分に振り返る時間を取れていなかったように思います。目の前の課題に向き合い、とにかく前に進むことを優先してきたからです。もっと言えば、その中には失敗として認めたくなかったこともあったのかもしれません。それでも、とにかく前に進むことに集中してきた時間があったからこそR2プロジェクトを事業として成長させることができた面もあります。だからこそ今度は、どこでつまずき、そこから何を得たのかをプロジェクトメンバーとともに言葉にしていきたいです。それはR2プロジェクトを次の段階へ進めるための足がかりであり、「失敗が価値として認められる文化」をつくるための最初の実践にもなるはずです。
100周年を迎える頃、社員が安心して働き、仕事に誇りを持てる会社であるために。まずは、自分たちが歩んできた道をきちんと見つめ直すことから始めたいと思います。

本日はありがとうございました!

創業 100 周年に向けた松本康靖の創造ノオト

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