
森保 友貴株式会社丹青社
デザインセンター プランニング局 プランナー
2020年に丹青社へプランナーとして入社。「エディオンピースウイング広島」のプロジェクトでは、自身のキャリアにおいて初めてオープンを経験。地元出身だからこその目線で、ミュージアムの体験設計などに携わる。サンフレッチェ広島のマスコットキャラクター・サンチェのファン。
まずはプロジェクトに参画した経緯を教えてください。
声をかけてくれた当時の上司がサッカー好きで、私がサッカー日本代表の森保一監督と同じ苗字というのも大きかったと思います(笑)。入社してから初めて完成まで携わった物件だったので、すごく思い入れのある仕事です。

プロジェクトはどのように進んでいったのでしょうか?
お客さまであるサンフレッチェ広島の担当者の方とも同じ想いを共有していましたね。具体的には、ボールを使って楽しめる体験コンテンツを盛り込んだり、広島のまちなかスタジアムとして平和への想いを発信する展示を取り入れたりしました。

スタジアム全景:平和の翼をイメージされた、スタジアムの構造としては珍しい大型の張弦梁(画像提供:大成建設株式会社)
森保さん自身はどのような領域を担当しましたか?
このプロジェクトを通じて、自分の仕事のことを家族や友人に話しやすくなりましたね。業界外の方にとって、丹青社のプランナーの仕事ってわかりにくいじゃないですか(笑)。
でも、今は両親や地元の友達に「エディオンピースウイング広島のここをやったんだよ」と言える。完成後に両親を連れて行くこともできて、すごくありがたい機会になったなと思います。

展示エリア:広島におけるサッカー文化の発展と、サンフレッチェ広島のクラブの歩みを紹介する
チーム唯一の広島出身ということで、プロジェクトにおける役割は意識しましたか?
その上で、やっぱり「地元に貢献したい」という想いは少なからずあったと思います。広島の小中学校では、原子爆弾が投下された8月6日には必ず平和学習の時間を設けるんです。私自身も、被爆された方から聞いた話を鮮明に覚えています。だからこそ、平和への想いをきちんと後世に語り継いでいくためには、過去の暗い歴史の話だけでなく、未来に向けた明るいメッセージが大切だと考えていて。
エディオンピースウイング広島のように、具現化されたモノで平和への想いを残していきたいという潜在意識はあったと思いますね。広島は私にとって唯一の故郷で、いつまで経っても大切な場所だと思っているので、この仕事に携われたことはとても幸運でした。

施設の見どころはどこでしょうか?
お子さんだけでなく大人も思いきり挑戦できるコンテンツなので、ぜひ体験してみてほしいですね。また、当施設は建築家の丹下健三氏がかつて描いた「広島平和公園計画」の軸線上にあり、そういった側面からも平和へのメッセージを取り入れていることも特徴のひとつかと思います。

サッカーミュージアム 体験エリアでは「パス」「シュート」「ドリブル」の種目でクラブを代表するレジェンド選手との対戦ができる
−今後、広島のプロジェクトにどのように携わっていきたいですか?

丹青社のメンバーとこけら落とし試合を観戦。サポーターとスタジアムの一体感をリアルで体験
最後に、広島のおすすめポイントを教えてください!
これは余談ですが、上京して一番驚いたのが「広島風お好み焼き」という言葉。広島に住んでいる頃は、いわゆる「広島風」が当然スタンダードなお好み焼きだと思っていたので、びっくりしました(笑)。
−本日はありがとうございました!
紹介した施設
施設名:エディオンピースウィング広島
事業主:㈱サンフレッチェ広島(サッカーミュージアム、スタジアムショップ)、広島市(スタジアム、VIPラウンジ)
業務範囲:
【サッカーミュージアム】
各種調査、施設コンセプト企画、展示企画、デザイン・設計、制作・施工、プロジェクトマネジメント:㈱丹青社
【スタジアムショップ】
各種調査、施設コンセプト企画、MD企画、デザイン・設計、制作・施工、プロジェクトマネジメント:㈱丹青社
【スタジアム】
デザイン・設計、制作・施工:大成・フジタ・広成・東畑・EDI・復建・あい・シーケィ共同企業体
【VIPラウンジ】
内装デザイン協力:㈱丹青社
オープン:2024年2月
実績紹介ページ:https://www.tanseisha.co.jp/works/detail/edion-peace-wing-hiroshima