布施 茉莉子株式会社丹青社 経営企画センター 経営企画部 経営企画課
2020年に中途入社。中期経営計画の策定や推進、取締役と事業部の橋渡し、経営方針の社内浸透、組織ルールの統括管理などに携わる。グループ理念と未来ビジョンの策定にも関わり、組織全体を見渡しながら意思決定を支える役割を担う。
丹青社が選び取る未来の選択肢を広げ、新たなストーリーを紡ぎたい
20年後の丹青社100周年を見据えた特別企画ということで、未来から逆算してお聞きしたいと思います。
2046年に、どんなことを実現していたいですか?
経営企画の仕事に携わる中で日々感じているのは、あらゆるところで常に変化が起きているなということです。社内外を問わず日々刻々と変わっていて、例えば業務中に少し会話を交わしただけでその後の判断や行動が変わることもある。バタフライエフェクトといいますか、小さな変化が積み重なって、「そんなことが?」と思うようなかたちで経営の意思決定に影響してくることもあるんです。それほど急速に環境が変化している以上、会社もどんどん変化していかなければ生き残ってはいけない。この問題の本質は、最終的に生き残れなくなることそのものよりも、自分たちがやりたいことができなくなっていく過程にあると思います。だからこそ、変化の中で何を大切にするのかを見極め、どの未来を選び取るのかを考えていく必要がある……ということを考えた結果、2046年までに選び取る選択肢を広げ、新たなストーリーを紡いでいく役割を担えるようになりたいと思いました。
「選択肢を広げる」とは、断片的な情報や偏った視点にとらわれずに状況を多角的に見て、意思決定に必要な情報の精度を高めることです。会社は常に岐路に立たされていて、正解がない中で意志と覚悟を持って進まなければならない。もっと言えば、選んだ選択肢を最適解にしていかなくてはいけない。だからこそ、考え得る多様な選択肢を用意した上で、あらゆる情報をあらゆる角度から見て意思決定の基準を定め、後悔しない選択をしていくことが重要だと思っています。
ただ、選択して終わりではありません。組織である以上、「何のための選択で、それがどうつながるのか」を皆が共通理解しなければ動けない。そこで必要になるのが、選んだ決断をストーリーとしてこれまでの歩みや今後目指す方向の中に入れ込むことです。私は会社のストーリーを、織物のように紡いでいくものだととらえています。その織物に今の選択を紡いでいくことで、柄や模様が現れ、皆が理解できるようになる。合体させるでもつなげるでもなく、紡ぐ、なんですよね。
2032年までに、今までなし得なかった創造物を丹青社がつくりあげる様子を見届けたい
そうした創業100周年に向けた構想を実現するために、それまでの歩みの中でいつどんなことをしていきたいですか?
ストーリーを紡ぐだけでは、絵空事で終わってしまいかねません。ストーリーを紡ぐ者には、そのストーリーが結果としてどうなったのかを見届ける責任があるし、結果を踏まえて次のストーリーを考えていく必要がある。そこで初めて紡ぎ切ったと言えるのだと思います。先ほどの織物の例でいえば、一生懸命に織ったとしても「美しいけれど着られませんでした」では元も子もないのと同じように。ではその結果はどこに現れるのかというと、丹青社がつくったものに尽きるのではないでしょうか。もちろん、丹青社が組織としてどれぐらい成長したか、経営視点でどう評価されているかなども大切ですが、空間をつくることを生業にしている以上、結果として重要視すべきは、やはり何をつくったかだと思うんです。それはつまり、エンドユーザーにどのような価値を提供したかということでもあります。
具体的に「どんなものを」と言われると正直まだ答えるのが難しいのですが、ただひとつ言えるのは、今までなし得なかった創造物であること。スケールなのか、用途なのか、デザインなのか。いずれにせよ、これまでの丹青社にはできなかったものを創り上げたときに「ストーリーを紡ぎ切った」と思えるはずです。
特にいま丹青社は過渡期にあって、2027年に向けた中期経営計画でも新たな領域への挑戦を掲げています。肌感覚としても、「新しいステージに入っているな」と感じる場面が増えました。3年後あたりでその一歩が成果を出しはじめて、次の3年後、つまり今から6年後には何らかの形として世に生み出されているのではないか。そう考えると、2032年までに「今までなし得なかった創造物」がつくりあげられていることに期待したいですし、何より、自分の目でその瞬間を見届けたいと思っています。見届けるために私にできることがあるとすれば、紡いだストーリーにおいて、いまどのフェーズにいるのかを確認し続けることです。ありたい姿に向かえているか、道を逸れていないか。進捗をきちんと管理して、必要に応じて軌道修正できる存在でありたいです。ストーリーは勝手に進むものではなく、進めるものだと思うので。
2029年までに、「人を活かす」ための知識を身につけたい
丹青社が創業100周年を迎える2046年、それに向かう2032年時点の構想をお聞きしました。さらに直近で取り組みたいことはありますか?
選択肢を広げてストーリーを紡いでいくためには、情報を多角的にキャッチアップするだけではなく、情報の背景まで理解するための知識が必要です。社内の取り組みや業務や経営に関する知識のほかにも、必要な知識は無限にある。というか、組織のストーリーを考える上で必要のない知識なんてないんですよね。中でも特に自分に足りないと感じているのが、人的資本経営に関する知識です。教育や評価・報酬制度、組織デザインなど、挙げればきりがないその知識群について、私はある程度しか理解できていません。組織が人で構成されている以上、最適な選択のためには経営戦略と人事戦略の歯車をしっかり噛み合わせなければなりません。だからこそ、人的資本に関する知識をもっと深く、専門的に取り入れたいと思っています。それに、AIが台頭していくこれからの社会を考えると、人について考えることは避けられないテーマになっていくはずです。そのため遅くとも3年後、2029年までには胸を張って知識があるといえる状態にしたいです。
個人的な想いも少し話すと、私は丹青社って本当に魅力的な人ばかりだと思っていて。魅力的というのは、先進的な考えを持っている人や、周りを元気にできる明るい人だけを指すのではありません。真面目にコツコツ目の前のことに取り組む人もいるし、誰にも見えないところで必死に頑張っている人もいる。一人として同じ人はいなくて、皆それぞれの個性を持っている。全員がポテンシャルをもっと発揮できる組織にしたいという想いもあるからこそ、人に関する知識を習得して、皆が生き生きと働けるストーリーを紡いでいきたいと思うんです。
AIの最新知識を取り入れ、自分の尺度を更新し続けたい
それでは最後に。100周年に向けた構想を実現するために、まずは今日から始めたい、創造の第一歩を教えてください。
人を活かす上でAIについて考えることは避けては通れないので、最新のAIの知識をキャッチアップしたいです。ちょうど今日、会社に向かう電車の中で目の前の学生が「ホワイトカラーってもうAIに勝てなくなるよね」という話をしていまして。それを聞いて正直、「本当に?」という気持ちが湧いたんです。AIは確かに圧倒的な処理能力があり優れているけれど、本当にホワイトカラーの仕事は奪われてしまうのか。むしろAIは人の能力を拡張し、創造性や可能性を引き出す存在であって、そんなAIを使いこなすことで人はより高度で人間らしい創造性を発揮できるよう進化するのではないかと。
その問いを掘り下げるためにも、AIに関する最前線の知見に触れていきたいと思っています。丹青社にも、デジタル推進室やCMIセンターをはじめAI領域に興味関心が高い人がいる。まずはそういう人たちから学んでいきたいです。教えてほしいと言われて嫌な顔をする人はいないし、むしろどんどん教えてくれる。そうした土壌がある会社だからこそ、遠慮せずに情報を取りにいきたいですね。
ここまで話してきて、「変化を起こすためにまずは自分が変化する」という考え方が私にとってかなり重要なのだと改めて感じました。だからこそ、知らない知識を貪欲に追いかけ、自分の尺度を何度も更新しながら新しい見方を手に入れ続けたいです。その積み重ねが選択肢を広げ、新たなストーリーを紡ぐ力になっていくと信じています。
本日はありがとうございました!
創業 100 周年に向けた布施 茉莉子 の創造ノオト