臼井 悠馬プランナー職/チームツバメ
長沼 かほり営業職/チームツバメ(座談会当日はオンライン参加)
山崎 玲菜制作職/チームツバメ
田中 杏我制作職/チームツバメ
柏 スズプランナー職/チーム梶本
村田 なずな制作職/チーム梶本
松山 遼制作職/チーム梶本(座談会当日はオンライン参加)
弥永 倫佳営業職(株式会社 Ai-Rより参加)/チーム梶本(書面での回答)
“想定”することの大切さを身をもって学んだチームツバメ
―まずは、座学での導入研修や現場研修について。どんな学びがありましたか?
長沼
予算管理の考え方や、会社としてのお金の流れ、売り上げや利益の考え方など、お金について学べたことが印象に残っています。学生から社会人になったことをとても実感しました。
臼井
私はみんなと違って建築やデザインを専門に学んでこなかったので、スケッチの講座がとても印象的でした。実際にやってみて綺麗な線を一本描くだけでこんなに難しいのかと危機感を抱き、ひたすら描く練習をして。その後のプロダクト制作研修で活かすことができたので、こういった研修があったのは未経験の自分としてもありがたかったです。
山崎
個人的には、廃棄物処理場に現場見学に行ったことが印象に残っています。どの業界もそうだと思いますが、空間づくりにおいても環境への配慮や持続可能性は非常に大切なテーマだと思うので、身をもってその重要性を学べました。
田中
私は制作職として入社したので、やっぱり左官体験ワークショップをしたことが印象深いです。すごく暑い現場で、こんな過酷な環境でも丁寧に仕事に打ち込んでいる職人さんに対して、改めて大きな敬意を持ちました。
―その後、プロダクト制作研修が始まります。まずはどういった研修だったのか教えてください。
田中
外部のデザイナーさんにサポートいただきながら、グループで実際のプロダクトを企画し、つくりあげるところまでの一連を体験するグループ研修です。何をつくるかを決めるコンセプトワーク、意匠やディテールを固めるデザインワーク、実際にカタチにするプロダクションワークという流れで進みます。
長沼
工程や予算の管理、図面の作成、協力会社さんへの発注なども実際に行うので、まさにものづくりの一連の流れを体験できる研修でした。
臼井
毎年グループ共通のテーマがあるそうで、私たちの代は「軸」でした。私たちチームツバメは、建築事務所である株式会社ツバメアーキテクツさまに外部デザイナーとしてご協力をいただき、「事務所にある軸状のものを収めるプロダクトを考えてほしい」という課題に臨みました。
プロダクト制作の風景
―課題に対して、どのようにアプローチを進めていきましたか?
田中
事務所を実際に訪問した際に、傘立てがなく、階段の手すりなどに無造作に傘が掛けられていることに着目しました。限られたスペースの中で、邪魔にならないような傘立てをつくろうというところまではスムーズに決まったのですが……そこからカタチにしていくのがとにかく大変でしたね。
臼井
唯一無二のものをつくろうと試行錯誤しましたが、どうしても既存製品と似てしまったり、何かしら欠点があったりで、オリジナルのプロダクトを生み出すことの難しさを痛感しました。
長沼
本当になかなかアイデアが固まらなくて、だんだん客観視できなくなって行き詰まって……と苦しい時間でしたね。でも、この期間があったからこそ、グループ全員の意識が統一されて、一体感が生まれていく感覚がありました。
山崎
そんな中で、ツバメアーキテクツの山道さんにデザインは想定から始まるんだよ」と教えていただいたことがすごく学びになりました。最初の頃は、提案したアイデアに対して「ここの素材は? 寸法はどれくらい?」と聞かれても答えられないことが多く、実際に完成させるために必要な想定が何もできていなかったんです。山道さんの言葉を受け、実際の使用シーンまで想定してアイデアを考えられるようになりました。
臼井
最初は傘立てなのに水受け皿さえない案なんかもありましたね(笑)。山道さんのアドバイスを受けてからは、私たちの中で「想定できていないこと」を見つけて潰していく癖ができたと思います。
田中
そんな中で、社内のテーブルに傘をかけている方をたまたま見かけて。傘をかけると、中心に軸が傾くということに気づいたんです。そこから、完成したプロダクト「mioya」の原型となるアイデアが固まっていきました。
©Yosuke Owashi
完成したプロダクト「mioya」。長傘をかけると軸が中心に傾き、折り畳み傘は上部に置くことで、限られたスペースでも使用できる。異なる形状の傘の水滴を、一か所に集められる構造が特徴。
―アイデアが決まったあとは、どのようにカタチにしていきましたか?
田中
デザインワーク以降は、役割を明確にして進めていきました。自分は主に図面の作成や詳細部の検討を担当。役割分担することでチーム内で認識がずれていかないように意識しながら進めました。
山崎
私は3Dデータの作成やイラストなど、協力会社の方々にプロダクトを説明するための資料作成を担当しました。研修の中でCADソフト「Revit」の使い方を学び、実践に活かせたのはいい経験になりました。
臼井
私は長沼さんと一緒に、協力会社さんの選定、帳票や各種申請作業などの事務作業を担当しました。大変でしたが決しておろそかにできない仕事で、ミスがあると無駄な工程を生んで周囲に迷惑をかけてしまうので、責任の重さを感じましたね。
長沼
個人的には、関係者が増えていく中で情報を整理して共有することの難しさを痛感しました。最初は受け身になりがちだったのですが、営業職がプロジェクトをリードしていく意識が大事だということに気づき、チームを引っ張っていくという気持ちで取り組みました。
田中
制作経験のある人事の方に図面のアドバイスをもらったり、帳票業務では何度も質問をしに行ったりしましたが、すごく親身にサポートいただけたのがありがたかったです。
―プロダクトが無事に完成し、成果発表会へ。どのようなフィードバックがありましたか?
山崎
「デザインと機能が両立しているシンプルなプロダクト」と好評をいただけてうれしかったです。また、成果発表の日は雨が降っていて。「実際に傘をかけようとしちゃった」という声もあって、傘立てとしての役割を果たせていることに安心しました。また、制作コストや大量生産を見据えた場合の計画性といったビジネスサイドの意見もあり、学生時代とは違うんだと実感しましたね。
―それでは最後に、あらためて「人づくりプロジェクト」で得た学びを教えてください。
臼井
当たり前のことですが「やらないとできない」ということです。文系出身の私にとって、スケッチもデザインソフトも初めて触れるものでしたが、言い訳せずにやってみることが何よりも大事だなと。チームツバメのメンバーや人事の方々をはじめ周りの支えもあり、とてもいい経験になりました。
田中
「デザインは想定から始まる」という言葉を受け、「なぜ?」を突き詰めることの大切さを学びました。制作職としては、クオリティももちろんですが安全管理という側面においても大事な考え方だと思います。
長沼
相手の立場で考えることの大切さと難しさを実感しました。考えるだけでなく行動に移すことで、ステークホルダー全員が能力を120%発揮できる環境を作れる営業職を目指していきたいです。
山崎
プロジェクト全体を俯瞰して見る重要性に気づけたことが一番の学びです。配属後も、現場に行く際には「今どの工程のどの部分を担っているのか」を常に考えて行動できる人材になっていきたいです。
―チームツバメの皆さん、ありがとうございました!
“時空間軸”というカタチのないテーマに挑んだチーム梶本
―続いて、チーム梶本の皆さんにもお話を聞いていきたいと思います。座学での導入研修や現場研修で得た学びを教えてください。
弥永
とにかく研修が充実していることに驚きました。4カ月という期間もそうですが、内容も幅広く、また座学で得た学びを実践的に活かせる機会もあって、理解を深めることができました。
村田
講義の内容がとても細やかで、社会人としての基礎や業務に必要な知識をたくさん学ぶことができました。現場で活躍している社員の方からのお話も聞けて、リアルな学びが多かったです。
松山
丹青社のパーパスやバリューを自分の仕事に落とし込むIRODORIワークショップを通じて、社員の方が仕事にどう向き合っているのかを学べたことが新鮮でした。
柏
左官体験や産業廃棄物処理場など、現場での実習も多かったですね。私はプランナー職なので、川上工程に関わることが多いと思いますが、研修で現場を見ることができたのはとてもいい経験になりました。
―それでは、プロダクト制作について。チーム梶本の皆さんはどのような課題に臨みましたか?
弥永
私たちはカジモトデザインオフィスのプロダクトデザイナー、梶本博司さんに外部デザイナーとしてご協力いただきました。梶本さんから「歳をとるごとに時間の流れがあっという間に感じるのをなんとかしたい」という課題をいただき、構想を始めました。
松山
コンセプトワークにおいては、全員で意見を出し切ることを意識していました。梶本さんはとてもユニークなプロダクトを数々手がけられている方なので、私たちも「全員の想いが乗った、唯一無二のものをつくろう」という意気込みで臨みましたね。
柏
梶本さんからいただいた「時空間軸」というテーマに対して議論を重ね、時間と目的、時間と空間の区切りを“うやむや”にすることで時間が流れるスピードの感じ方を変えられないかというアイデアに収束しました。
弥永
人生で一番「時間」について考えた期間だったと思います(笑)。 “うやむや”というコンセプトにいたるまで、何度もブレストを重ねました。
―“うやむや”というコンセプトをどのようにデザインに落とし込んでいきましたか?
弥永
チーム梶本にはデザイナーがいなかったので、デザインワークも役割を意識せず全員でスケッチしました。量を出し切ることを重視して、全員で100案ほど考えましたね。
柏
梶本さんは私たちのアイデアに対してユニークな視点で肯定的なコメントをくださいました。アイデアを絞っていくのは大変でしたが、すごく面白いプロセスでしたね。
村田
最終的には2案に絞られ、モチーフとしてよりわかりやすいという理由から、完成品である「ときのかげ」の原案となるアイデアを採用することを決めました。
©Yosuke Owashi
完成したプロダクト「ときのかげ」。天板から葉っぱを取り、その時々の感情や思いをメモして戻すことで、木陰でひと休みするような“うやむや”な時間を体感できる。
―そこから、プロダクションワークで具体的にカタチにしていきます。どんなことが大変でしたか?
松山
形状へのこだわりを詰め込んだ分、予算をコントロールすることが何よりも大変でした。何度も協力会社の方と打ち合わせを重ね、自分たちの熱意を伝えることを意識しました。相手方が私たちの拙い提案に真摯に向き合ってくださったおかげで、完成に向かうことができたと思います。
柏
コストとの天秤にかけたときに、何を削って何を残すべきかを慎重に検討しました。葉っぱによって生まれる影がこのプロダクトの肝なので、そこは残そうと。
村田
最初は5種類の形状を想定していましたが、最終的には2種類の葉っぱでも狙った影の形が出るように調整していきました。
弥永
協力会社さんとの打ち合わせをすべて対面で行い信頼関係を築いていったこと、難易度の高い形状の実現に諦めずチャレンジしたことが、プロジェクトをいい方向に持っていったと思います。
村田
協力会社さんとの打ち合わせでは、最初は「新人なので失礼がないように」という想いが先行して遠慮がちに話していました。しかし「もっと貪欲に熱意を持って話していいんだよ。熱意が伝われば、私たちも協力したいと思えるから」と言っていただけたのがすごく印象に残っていて。熱意を持ってコミュニケーションすることの大切さを学びました。
プロダクト制作風景
―完成したプロダクトには、どのようなフィードバックがありましたか?
松山
“うやむや”というテーマが面白い、他のチームにはない発想だという評価をいただけました。自分たちが苦労し、こだわった部分だったのでうれしかったですね。
弥永
一方で、「時間を遅らせる」というSFじみたテーマに対して、完成したプロダクトの意義が100%伝わり切ったかというと……もう一歩だったなと悔しさも残りました。誰もが一目見て理解できる、詳しく説明しなくても一言で共感できるようなものを生み出すことの難しさを感じました。
―それでは最後に、あらためて「人づくりプロジェクト」で得た学びを教えてください。
松山
人づくりプロジェクトを通じて、人間としても社会人としてもかけがえのない経験を得ることができました。人にも仕事にも熱意を持って向き合うことがいいものづくりにつながると学べたので、これからも前向きにチャレンジしていきたいです。
村田
他職種の仕事に触れたり体験したりする機会が多かったことが一番いい経験になりました。配属後も社内外さまざまな人とコミュニケーションをとりながら、空間づくりに向き合っていきたいです。
柏
個人的には、梶本さんに「そうきたか!」と思っていただけるようなアイデアを実現することを、プロダクト制作の一つの目標にしていました。残念ながら完全に達成できたわけではないので、今後も「柏さんと仕事をしたい」と思ってもらえるような人材を目指して頑張っていきたいです。
弥永
私は唯一他社からの参加でしたが、同期のみんなや人事部の方々が本当に温かく接してくださったのがありがたかったです。同期に出会えたことが一番の財産ですね。空間づくりという仕事の解像度をグンと高められたので、みんなに負けないよう成長していきたいです!
―チーム梶本の皆さん、ありがとうございました!
『人づくりプロジェクト展 2026』について
2026年10月13日(火)~10月23日(金)および10月27日(火)~10月30日(金)に、『人づくりプロジェクト展 2026』を開催します。新入社員のこだわりが詰め込まれたプロダクトをぜひご覧ください!
※ご来社の際は、必ず事前に当社社員とお約束の上、お越しいただきますようお願いいたします。
関連のお知らせ:https://www.tanseisha.co.jp/news/release/2026/post-75067