志村 泰典(右)株式会社丹青社 経営企画センター 人事部 人事企画課
2009年丹青社入社。営業としてキャリアをスタートし、文化施設の立ち上げや新規事業開発に従事。キャリアチェンジで念願の採用担当となり、現在は主に組織開発を担当。休日は少年野球の監督としてグラウンドに立っている。
府木 梢(左)株式会社丹青社 経営企画センター 人事部 人事1課
2017年丹青社入社。「人づくりプロジェクト」など、人材育成プログラムの開発などに携わる。志村とともにポテンシャル採用スペシャルサイト「満たせ、はみ出せ。」の制作に携わり、現在も採用を担当。休日は日々の美容メンテナンスのスペシャルケアのため、様々なサロンに通っている。
誤解されていた「丹青社らしさ」を伝えるためのリニューアル
はじめに、採用サイトのリニューアルに至った経緯を教えてください。
府木一番大きな理由は、採用活動をする中で「丹青社らしさ」が学生の方々に伝わっていないと感じていたためです。
志村説明会や就活イベントなどに参加する中で、学生が持っている丹青社のイメージと実際の社風とのギャップをすごく感じていて。なんというか、カタい会社だと誤解されていることがすごく多かったんです。
府木「とっつきづらい会社」というようなイメージがあったんだと思います。実際、丹青社の社員と触れたりオフィスを訪れたりした学生からは、「思っていたよりあたたかい雰囲気で安心しました」とか「社員さん同士の距離が近くて驚きました」などと言われることも多くて。これはギャップがあるぞと。
志村「いい意味で印象が変わりました」というようなことを言われることがすごく多かったですよね。であれば、もっと手前の段階からしっかり丹青社らしさを伝えていかないと、機会損失につながってしまう。同時期にコーポレートサイトのリニューアルが動いていたこともあって、採用サイトをガラッと作り替えようという話になりました。
府木就活イベントに参加すると、やっぱりどこの会社にもカラーがあるなと思います。丹青社はとにかく人と人との距離が近い。人事部だけでなく、いろいろな社員が説明会やイベントで学生と接していて。それも、急遽アサインした社員だったりして、そういうこともほかの会社ではあまりないようなんです(笑)。そういった、言葉にできない「丹青社の人柄」みたいなものを、しっかりと伝えていこうということで、プロジェクトがスタートしました。

「満たせ、はみ出せ。」をコンセプトに、これまでのイメージを打ち破っていく
そこから、具体的にどのようにプロジェクトを進めていったのでしょうか?
志村実は、採用サイトのリニューアルに先立って、2024年に制作採用LP「動かそう。」を制作していたんです。この制作を通して、採用サイトづくりの進め方の大枠を掴めたことで、スムーズにスタートすることができました。ただ、この制作職採用LPは、良くも悪くも丹青社らしくまとまり過ぎてしまった印象があって。全社的な学生へのメッセージを打ち出すのであれば、もっと打ち破らなきゃいけないという想いは強くありましたね。
府木そこで、最初に取り組んだのが採用コンセプトの策定です。時間をかけてディスカッションをしながら、丹青社として学生に打ち出していくコンセプトを練り上げていきました。丹青社らしさをあらためて言語化して紐解きながら、求める学生像と照らし合わせていく。そうして生まれたコンセプトが「満たせ、はみ出せ。」でした。
志村ちょうど同じタイミングでパーパスとバリューの策定に伴い「求める人物像」を整理し直していて、そこでも「強い個」というキーワードが出ていたんです。そのため、「満たせ、はみ出せ。」というコンセプトを最初に聞いた時はすんなり腹落ちする感覚がありました。
府木満たすだけでも、はみ出すだけでもなく、満たした上で、はみ出していこうというメッセージになっているのがとても丹青社らしいと思っています。求められる品質を叶えた上で、そこに満足せずに、一歩踏み込んで打ち破っていく。ポテンシャル採用として求める人材像にピッタリ重なると思いました。
志村ただそこから、「満たせ、はみ出せ。」を具体的なデザインやコンテンツに落としていくのが、まあ大変でした……(笑)


コンセプトを具体化していく上で、どういった苦労があったのでしょう?
府木まず前提として、これまでのイメージを打破したかったので、初めて見る人はびっくりするくらいのものにしたいよねという話を志村さんとしていて。そこはブレずにいきたいという想いがありました。たとえば色を使うにしても、赤と青の丹青カラーに固執したくないなと。
志村採用においては「自社のカラーにフィットする人を採る」か「その人が持っているカラーに自社のカラーを掛け合わせる」という選択肢があると思っていて。丹青社は完全に後者です。ですので、赤と青の丹青カラーに型をはめていくのではなく、学生の強い個性と丹青社らしさを掛け合わることで、満たし、はみ出していく。そういったメッセージを表現したいと考えていましたね。
府木そこから、パートナー会社の方にさまざまなキービジュアル案をご提案いただきました。最初は、丹青社のことをよく理解してくださっているからこそのビジュアルで。もちろんどれも素敵だったのですが、「もっと既存のイメージを打ち破りたいんです」ということをお伝えして、何度もディスカッションを重ねました。その過程で、お互いにだんだんと「満たせ、はみ出せ。」の解像度が上がっていった感覚がありましたね。
志村「もっとはっちゃけちゃってください」と無茶振りのようなお願いをしたこともありました(笑)。デザイナーの方には苦労をかけてしまいましたが、根気強く提案をいただけたおかげで、私たちが打ち出したいメッセージを具体化した、とてもいいデザインになったと思っています。


提案初期段階のキービジュアル案の一部(制作パートナーに許可を得て掲載。写真は制作職採用LPで使用しているもの)
キービジュアルが決まってからは、どのようにコンテンツを作り込んでいったのでしょうか?
志村採用サイトとして必要な情報はおさえつつ、コンテンツ面でもコンセプトを体現することは意識していました。一番わかりやすいのは、職種紹介の対談ページですね。多くの採用サイトでは、代表的な社員へのインタビュー形式での「社員紹介」が一般的だと思うのですが、あえて各職種2名での対談形式にしました。
府木同じ職種でも関わる空間の領域やその方の強みなどのバックボーンによって仕事内容が大きく変わるため、その幅広さや可能性を感じさせることでコンセプトを表現したかったんです。また、できるだけ多くの社員に登場してもらうことで、丹青社らしい多様な個性を感じてほしいという意図もあります。
志村対談を横で聞いていて、社員がどんな想いで働いているのかを改めて聞くことができて、僕らとしても気づきがありましたよね。また記事の文体についてもこだわっていて、あえて一般的なかしこまったものではなく、できるだけ生の声に近いフランクな文体にしています。実は対談する社員同士がほぼ「はじめまして」のケースもいくつかあって、心配したのですがすぐに打ち解けていて。サイトを作るプロセスにおいても、人と人との距離の近さ、フラットな風土を感じました。
府木私も対談を通じて社員の想いに触れ、今後の就活イベントでも胸を張ってアピールできる社員がたくさんいることを誇らしく感じました。それと、写真撮影もかなり工夫しましたよね。丹青社の社員は「あくまで主役は空間」という感じで、あまり前に出たがらない人が多いんです。だからこそ、そういう個性にフォーカスを当てたいという想いがあって。
志村「ハイ、チーズ」で撮影するとかしこまっちゃう人が多いので、いかに自然体で撮るかというのは、カメラマンの方がすごく意識してくれたポイントなのかなと思います。ちなみに、サイト内には僕の後ろ姿の写真も使われていて、撮られていたことを後から知りました(笑)。
満たし、はみ出し、可能性を広げていく。
サイトが完成して、周囲の反応はいかがですか?
府木おかげさまで好評をいただいていて、特に新卒入社した社員からはすごく評判がいいです。丹青社らしい、突き抜けていていいねという声が多いですね。今後の採用活動においても、「まずはこのサイトを見てください」と言えるものができたのはすごく大きいと思っています。学生の方からの反応も、しっかり見ていきたいです。
では最後に、今後の展望を教えてください。
志村「満たせ、はみ出せ。」のサイトでいうと、現在プロジェクトストーリーというコンテンツを鋭意制作中です。丹青社としての実績紹介となると、どうしても一つの物件の話が中心になりがちですが、その前後や周辺で取り組んでいることをもっと深く知っていただけるような内容になる予定ですので、ぜひご期待ください。
府木今回制作した「満たせ、はみ出せ。」のコンセプトやビジュアルを、サイトだけでなくほかの採用活動・ツールにも展開していきたいです。また人事目線で言うと、採用後の人材育成の観点でも、しっかりメッセージとして取り組みを推進していきたいです。
志村そうですね。キャリアの可能性や多様性をもっと生み出していきたいですよね。
府木自分が担当している分野や領域に留まることなく、もっと可能性を広げてほしい。そのための制度づくりやサポートに力を入れていきたいです。
志村あとは何より、満たすこと、はみ出すこと、どちらもできるとシンプルに仕事を楽しめると思います。これは学生の皆さんにもぜひ伝えておきたいです!
本日はありがとうございました!
