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丹青社の創造価値を高め、業界全体の環境改善へ! バリュープロダクションセンターの挑戦と展望

丹青社の取り組み

2025年に新設されたバリュープロダクションセンターは、デザインと制作を丹青社の価値創造の両輪と位置付け、サプライチェーンも含めた生産戦略の立案と実行を担うチーム。各事業部やセンターと連携しながら、全社横断的に生産基盤の整備に取り組んでいます。
本記事では、丹青社初の女性執行役員として同センターのセンター長を務める石畑へのインタビューを通じて、バリュープロダクションセンターの活動と展望についてご紹介します。

SPEAKER

石畑 和恵株式会社丹青社
執行役員 バリュープロダクションセンター センター長
1991年に丹青社入社。制作職としてキャリアをスタートし、現場で商業空間を中心に経験を積む。1998年には丹青社初の育児休業を取得し、復職後は社内の制度づくりや人材育成プロジェクトの立ち上げを複数経験。2020年2月に株式会社丹青ヒューマネットの代表取締役社長に就任。2025年より現職。
モットーは、「自分にできることをやる」。

協力会社も含めた生産基盤を整備し、提供価値を高めていく

まずは、 バリュープロダクションセンターの役割を教えてください。

石畑バリュープロダクションセンターは今期から立ち上がった部署で、「テクニカルマネジメント統括部」「バリュープロダクション統括部」「デジタルクリエイション統括部」の3部門で構成されています。当センターの役割を一言で表せば、「デザイン」と「制作」の両輪で丹青社の創造価値を総合的に高めていくための基盤を整備することです。新技術の活用や人材不足といった課題に向き合いながら、全社職種横断的にさまざまな制度構築や仕組みづくりに取り組んでいます。

 

センター立ち上げの経緯には、石畑さんのキャリアが大きく影響しているとか。

石畑そうですね。私は1991年に制作職として入社して以来、30年以上丹青社で働いてきました。制作職では、使用するさまざまな素材についてとことん詳しく学んだり、協力会社さんとのコミュニケーションを大切にしたりなど、現場で多くの経験を積みました。育休取得後は企画職として復職し、人材育成や環境改善のための制度づくりに携わったり、一昨年までの5年間は、グループ会社である丹青ヒューマネットの取締役や代表取締役社長を務めました。

 

これまでを振り返ると、いつも「自分の強みをどう活かすか」ということを考えてさまざまなことに取り組んできたと思います。制作職としての経験を活かして全社的なスキル向上施策に取り組んだり、そこでつながったメーカー各社さんとの関係性を基盤に連絡窓口のようなものをつくったり。丹青ヒューマネットの社長時代も、社会的に女性の活躍推進が叫ばれる中で、自分の経歴や経験を活かしてできることを模索し、実践してきました。

まさに「自分にできることをやる」というモットーですね。

石畑その通りです(笑)。もともと人の役に立ちたいというのが根本にあって、みんなが面倒だなと思うような業務を拾っていくことで感謝されることが私の働きがいなんですね 。

そうすると、いろんな組織内の課題が見えてくるんです。

では、バリュープロダクションセンターはどういった課題意識から立ち上がったのでしょうか?

石畑経営会議の中で役員とディスカッションしたり、事業部から上がってくる課題を整理したりしていく中で、営業からデザイナー、デザイナーから制作と業務が流れていく過程で、生産基盤にさまざまな問題があるということが見えてきたんです。例えば、営業はマーケットに即した活動を行い、デザイン部門へ仕事の相談を行うが、デザイン部門はまだ整備が追いついておらず、擦り合わせがなかなかできない。制作側からすると、デザイナーには設計者としてどこまで担保してほしいとか、逆にもっと早い段階で制作に相談してほしかったというケースもあって。ものづくりの生産基盤を整備することが必要不可欠だと考えました。

営業・デザイン・制作の連携を強め、提供価値を高めていくと。

石畑その通りです。さらに言えば、その先にいる協力会社の方々も含めて、サプライチェーン全体の「生産」を見直していくことが、バリュープロダクションセンターとして目指していることです。お客さまからすれば、営業の伴走力や信頼感を評価いただくことも、デザインのクオリティで選んでいただくことも、制作の安全安心で高品質な現場管理を買ってくださることもある。そこに不可欠な協力会社さんの存在も含めて、総合的に価値を高めていくための精度や仕組みを整えていこうと考えています。

業界全体の課題に取り組み、 多様な働き方を次世代に繋いでいく

具体的にはどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

石畑まだ新設されたばかりの部署なので、今は具体的なアクションに向けて、どのような課題があるのか、それはなぜ起こっているのかを調査しながら 、他部署とも連携して 戦略を立てているところです。いってしまえば、社内のパンドラの箱を開けまくっている状況ですね(笑)。

その中でも、生産性の向上は最も重要 なテーマだと思っています。社会全体で人手不足が深刻化する中で、いわゆる「新36協定」に対応しながらどう社員の働きがいを叶えていくか。内製と外注のバランスを見定めながら、そのためにはどんなリソースがどのくらいの期間で必要になるのか。今まさにロードマップづくりに取り組んでいるところです。

  

 

そして、生産性向上というテーマは、社内だけでなく業界全体の課題解決につながっていくことだと思っています。できることなら競合他社とも手を取り合って推進していけたらいいですよね。 BIM活用などのスキル向上面においても、社員が無理なく取り組んでいけるような仕組みを整備し、業界内で推進リーダー的なポジションを担っていけたらと思っています。

では最後に、 石畑さんの今後の展望を教えてください。

石畑今期から、私を含めた3人の女性執行役員が誕生しました。女性の制作職経験者が執行役員というポジションに就くことで、現場を牽引している女性メンバーたちのモチベーション向上に少しでもつながったらいいなと思っています。

丹青社は、多様な考え方やものの見方をするさまざまなメンバーによって支えられています。その将来を担っていく 若いメンバーが、キャリアのイメージをポジティブに持てるよう、そのロールモデルになっていけたらという思いが、個人的には強いです。

バリュープロダクションセンターはまだまだ発足したてですが、改善すべきことはあちこちにあると思っています。来季は、中期経営計画における最後の1年になるので、その先を見据えながら、生産基盤の整備を進めていきたいです。

  

 

−本日はありがとうございました!

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