ONE PIECE展
大人気マンガが3次元空間に飛び出した展覧会
マンガ『ONE PIECE』初の展覧会を企画・デザイン・制作したプロジェクトをご紹介します。
『ONE PIECE展』は「週刊少年ジャンプ」で1997 年の連載開始以来、絶大な人気を誇るマンガ『ONE PIECE』初の展覧会です。丹青社では、展示の企画からデザイン・設計、制作・施工まで、空間づくりをトータルにお手伝いしました。2次元の「マンガ」の世界を、3次元の「空間」へどのように表現し、つくりあげていったか。「空間」というメディアの力を最大限に活用しながら取り組んだプロジェクトをご紹介いたします。
- 事業主
- 朝日新聞社、集英社、東映アニメーション、ADK、フジテレビジョン、森アーツセンター
- 当社担当者
- プロジェクト・マネジメント:伊藤 類
ディレクション:洪 恒夫
プランニング:石田裕美
デザイン・設計:吉田真司
制作・施工:澤畠寿成 / 山田晃裕
- 受賞情報
- 「DSA Design Award2012」入選
「第46回SDA賞」入選
「ディスプレイ産業賞2012」ディスプレイ産業奨励賞
- 所在地
- 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F 森アーツセンターギャラリー
- オープン
- 2012年3月20日~6月17日
- ウェブサイト
- http://onepiece-ten.com
原画をベースに体感型の展示を提案
主催の集英社様、朝日新聞社様では、『ONE PIECE』の連載15周年にあたって「数々の名場面を描いた原画の展覧会」を企画されていました。そんな中、当社から「原画はもちろんのこと、会場だけで鑑賞できる迫力のスペシャルムービー、インタラクティブアートや造形など、さまざまな仕掛けが施された体感型の展示」を提案したところ評価をいただき、プロジェクトがスタートしました。
お客さまと打合せを重ねる中で、まずは展覧会づくりを進めていく上での指針として、「SHARE(分かち合い)」というキーワードを導き出しました。このワードは、数々の冒険と熱い友情を描いた『ONE PIECE』の世界観にも合致しており、展覧会は数多くのファンが同じ空間に集まって楽しむ体験を「SHARE」できる場でもあることから、これを拠りどころとして計画を立案していくことにしました。
展示のストーリーづくりを徹底
今回の展示空間づくりで注力したのは、主催者側からいただいた「原画展」という与件を軸として、原画、マンガという2次元の世界をいかに効果的に3次元の展示空間へ表現するかということでした。
まず着手したのは「会場を訪れた人に入口から出口までどんな気持ちの流れで展覧会を体験してもらうか」という展示ストーリーの検討を徹底的におこなうことでした。「最初の3ページで、こころをつかむ」というマンガの作法を空間にも踏襲し、展示の冒頭にはインパクトある展示を配置。島から島へと冒険をしていく『ONE PIECE』のストーリーにもなぞらえて、アトラクションのように各展示を巡っていくという流れを作り出しました。そして、スペシャルムービーを核に、立体的なグラフィック、造形、インタラクティブアートなど、リアルスペースだからこそ実現できる体感型の展示を配置していきました。
分野を超え空間づくりノウハウを活用
また、『ONE PIECE展』では、多数の来場者が見込まれることから、魅力ある空間づくりとスムーズな運営との両立も求められました。会場を訪れた一人一人にきちんと展示を楽しんでもらえるよう、おもてなしには十分配慮する上で、運営関係者とも随時調整をおこないながら展示空間づくりを進めていきました。
今回の展覧会では、アトラクション性の高い体感型の展示の要素も加味しており、美術館やギャラリーでおこなわれる展覧会としては、他に類を見ないものとなっています。この点では、これまでに丹青社がテーマパークや博覧会などのプロジェクトで培ってきた空間づくりのノウハウを、展覧会という別の分野にも最大限に活かした事例となりました。さらには、マンガという2次元のコンテンツを3次元の空間へ展開したプロジェクトとして、空間づくりの立場からお客さまのコンテンツビジネスをサポートした良い事例となりました。
撮影:フォワードストローク
プロジェクトメンバー
プロジェクト・マネジメント:伊藤 類
ディレクション:洪 恒夫
プランニング:石田裕美
デザイン・設計:吉田真司
制作・施工:澤畠寿成 / 山田晃裕
※実績紹介に記載されている情報は、掲載時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。