福山城博物館
貴重な資料展示と豊富な体験型コンテンツで福山城と福山藩の歴史を学ぶ
リニューアルの目玉である体験型コンテンツが多く配置される水野勝成と水野家のフロア(左:「一番槍レース」、右:「槍のフォトスポット」)
事例概要
福山城築城400年を記念してリニューアルされた、全6階からなる博物館です。天守の中に展示室が設けられており、最上階は福山市内を360度見渡せる展望フロアとなっています。福山城そのものに関する展示、福山城の初代藩主である水野勝成を中心とする水野家のフロア、その後藩主となった阿部正弘を中心とする阿部家のフロア、没入感ある映像演出がなされたシアターフロアなどから構成されています。
課題/テーマ
「歴史が好きな方」や「城が好きな方」のみならず、幅広い層の方にさまざまなシチュエーションで来館いただける、福山観光の中心となる施設とすること。
解決策/実現策
福山城を軸にしつつ、戦国武将から一国一城の主になるまで激動の時代を生きた水野勝成、幕末に日本を開国に導いた立役者である阿部正弘という、新たな時代を切り開いてきた2大藩主から『切り開く』をキーワードにデザインコントロールを行いました。
従来の資料中心の展示もしっかりと残したうえで、「見る・知る・挑む」をテーマに、映像やグラフィック、身体を動かして体験できるコンテンツを設置しました。水野勝成の魅力がわかるエピソードをより印象的に伝えられるよう、大阪城攻めの際の「一番槍」を体感できる「一番槍レース」、晩年火縄銃を試し撃ちして見事命中した史実をもとに火縄銃の扱いの難しさを実感できる「87歳の勝成と勝負~火縄銃体験~」といった新たなアイテムの導入にも挑戦。体験型の展示施設としてリニューアルすることで、家族連れやカップルなど新たな客層の獲得につなげました。
環境配慮設計
ユニバーサルデザイン:展示空間はすべてバリアフリー化しています。今回のリニューアルでは建築工事にてエレベーターの設置も行われ、より多くの方に来館いただけるようになりました。またグラフィックや映像を多言語で表記し、多くの方々が楽しめる展示構成としました。
安全設計:什器の端部など、鋭角な部分を極力排除することにより、不慮な衝突などによるけが防止に努めています。また、地震時などにおける大型造作物の安全確保のため、構造検証を実施した上で、設計を行っています。
文化財保存設計:高規格の展示ケースを採用。将来的には他館からの貴重な文化財資料を借り受け、話題性の高い企画展の開催も予定しています。
- 事業主
- 福山市
- 業務範囲
- 施設コンセプト企画、展示企画、デザイン・設計、制作・施工、プロジェクトマネジメント
- 当社担当者
- トータルディレクション:加藤剛
デザインディレクション:高井諒
デザイン・設計:竹島光志郎
制作・施工:鳥丸直起
映像ディレクション:(株)丹青研究所 塩田達郎
プロジェクトマネジメント:小﨑修司
- 所在地
- 広島県
- オープン
- 2022年8月
- ウェブサイト
- https://fukuyamajo.jp/
撮影:栗原 平
デザインディレクション
高井 諒
デザインディレクション
高井 諒
歴史・文化・民族博物館、科学館、企業ミュージアム、漫画展など、ミュージアムを中心にデザインを行う。来館者の視点に立ちながら、記憶に残る展示提案を心がけている。
※実績紹介に記載されている情報は、掲載時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。