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北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館

生命の進化の道筋と人の歴史を展示する総合博物館

大規模なミュージアムづくりを継続的にサポートしてきたプロジェクト

「北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館」は、「自然と人間の関わりを考える共生博物館」を理念に生命の進化の道筋と人の歴史を展示するミュージアムです。丹青社は2002年の開館時ならびに2013年のリニューアル時に展示企画、デザイン・設計、制作・施工を担当しました。このほか、定期メンテナンスや企画展のデザイン・設計のほか、今後のユニバーサルミュージアム化に向けた調査も当社でお手伝いしています。継続的なパートナーとしてお客さまとともに大規模なミュージアム整備に取り組んできたプロジェクトをご紹介します。

事業主
北九州市
業務範囲
展示企画、デザイン・設計、制作・施工、保守管理
改装に関する展示企画、デザイン・設計、制作・施工
ユニバーサルミュージアム化構想サポート
当社担当者
ディレクション:高橋久弥
デザイン・設計:土井啓郁、加藤剛
制作・施工:阪田宏治
ユニバーサルミュージアム化構想:丹青研究所
受賞情報
「ディスプレイデザイン賞2003」入選
所在地
福岡県北九州市八幡東区東田2-4-1
オープン
2002年(2013年リニューアル)
ウェブサイト
http://www.kmnh.jp/

回遊性の創出を目指した施設構成

北九州市様では、それまで別々に設置されていた自然史・歴史・考古の3つの博物館を統合し、延床面積17,000㎡にわたる大規模なミュージアムを新設するという構想をお持ちでした。そこで当社から、従来型の単一的な動線ではなく、ショッピングモールのように様々な特徴をもった施設を組み合わせ、興味や滞在時間に合わせて自由に体験ができる「ミュージアムコンプレックス」としての計画を提案したところ評価をいただき、プロジェクトがスタートしました。

こうして2002年にオープンした館内には、施設の軸となる展示として、自然史ゾーン・歴史ゾーンを設け、長さ100mほどの「アースモール」と「カルチャーモール」と名づけたメインストリートを導入しました。さらに、大きさも手法も異なる個性的な展示室やライブラリー、休憩スペースなど、全ての施設をこれらのモールに面して配置。来館者がショッピングモールを散策するような感覚で、興味関心に応じて自由な順序で館内を見て回ることができる工夫をこらしました。

「アースモール」を上から見る。地球の誕生から新生代まで、生命の進化の流れを展示している

「ぽけっとミュージアム」。学芸員のこだわりの小展示室を「アースモール」に面して配置

リニューアルによるミュージアムの進化計画

施設のオープン後も当社では定期メンテナンスのほか、企画展のデザイン・設計を一部手がけるなど、継続的に館の活性化をサポート。そして迎えた2013年のリニューアルでは、ワーキンググループを設置し学芸員からのヒアリングを行うなど、足かけ5年にわたる検討を重ねてミュージアムの「進化計画」をお客さまとともに策定。展示物の刷新や拡充、映像など新たな演出の導入、展示スペースの拡張、展示演出照明のLED化などを当社でお手伝いしました。

リニューアル内容の一例としては、自然史ゾーンの「アースモール」入口に世界で最も有名な恐竜「スーとして知られるティラノサウルス・レックス」の全身骨格レプリカをシンボリックに新規展示し、巨大な映像演出も追加。この映像演出については来館者動態調査やアンケート調査もおこない、設置方法等に反映しています。さらに、360度体感型ジオラマで人気の「エンバイラマ館」を最新学説に基づいてタイムリーに展示更新し、羽毛恐竜を新たに追加しました。結果として、平成25年度の年間入館者数は62万人と、それまでの平均入館者数36万人を大きく上まわりました。

改装後の「エンバイラマ館」。最新学説に沿った羽毛恐竜や体感演出などを加え、新たな魅力を創出

2003年に開催された夏の特別展「発見!虫王国」。期間中の総入場者数は当初予想3倍の約8万人と盛況だった

ユニバーサルミュージアム化に向けた継続的なサポート

こうした進化を経て2014年からは新たに同館のユニバーサルミュージアム化事業がスタートしています。当社はユニバーサルデザインに関するこれまでの取り組みも活かして本事業もサポート。障がい者や日本語以外を母国語とする方々にご協力いただき、展示解説・館内サイン・音声ガイド・情報端末のあり方を検討するワークショップを実施し、課題を抽出。また、博物館の展示室と学校の教室をつなぐ遠隔授業の実施実験とアンケート調査を通じて、その有用性や効果の検証をサポートしました。

今後は、市民の社会教育施設としての役割はもちろんのこと、観光立国などの動きも受けて同館には訪日外国人観光客の来訪が増えることも想定されます。これまで長年にわたってパートナーとしてともに歩むなかで得られた視点も大事にしながら、こうした社会の動きに対応した新たな提案もおこない、当社は今後も継続して施設の価値向上に貢献していきたいと考えています。

ユニバーサルミュージアム化に向けたワークショップで、音声ガイドに関するヒアリングを実施している様子

遠隔授業の実施実験の様子。学校で子どもたちがモニターを通じて、博物館の展示室からの授業を受けている

撮影:フォワードストローク、寺沢雅典 ほか


ディレクション
高橋 久弥

ディレクション
高橋 久弥

ミュージアムが提供するテーマやメッセージは、普遍的なものですが、そのサービスは時代の変化に合わせて多様化し続けています。長期的に空間づくりと活性化をサポートしてきた本プロジェクトでは、改めてこのことを実感しながら、展示のバージョンアップに挑んでいます。

デザイン・設計
土井 啓郁

デザイン・設計
土井 啓郁

展示する資料形態は多岐にわたり、資料の見せ方、安全性、作業性など綿密な調整のうえ、展示方法もゾーンごとに特徴をもたせるためにさまざまな手法を用いました。このときの経験はストイックに案件と向き合い、デザインを探究する今の姿勢につながっています。

※実績紹介に記載されている情報は、掲載時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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