長谷川町子記念館
長谷川町子生誕100年を記念して建てられた、作品を通じてその世界観と人柄を伝えるミュージアム
1階 常設展示室「町子の作品」:町子の作品の登場人物たちが来館者をお出迎えする
事例概要
長谷川町子生誕100年を記念して、2020年7月にオープン。既存の美術館の分館として併設され、長谷川町子の作品を紹介するゾーン、生涯を紹介するゾーン、企画展示ゾーン、収蔵庫等で構成されています。建築と展示を一体として考え、関係者と協議を重ね、町子が生きた「昭和」をテーマにデザインしました。また、町子の作品を美術品としてとらえ、保存と展示の両立を図っています。
課題/テーマ
国民的漫画家ながら、意外にも知られていないことの多いサザエさん以外の作品の幅広さや世界観、そしてその人となりを施設を通じて伝えること。
自然災害等の非常時においても、数多くの原画や貴重な資料を適切な状態で保管できる収蔵環境を整えること。
解決策/実現策
建築設計、学芸員の方々と議論を重ね、『長谷川町子先生らしさ』を念頭に置いて設計を行いました。生前はあまり人前に出ることがなく、マスメディアへの露出も少なかったというどこか控えめな町子先生の人柄や、アニメとは全く異なる原作の作品性の雰囲気を、展示コンテンツや空間デザインに反映しています。
環境配慮設計
安全設計:作品世界に包まれるコーナーでは、多くの子どもたちが体験することを踏まえ、什器の角に丸みを取る等、細部まで安全へ配慮しました。
ユニバーサルデザイン:子どもから高齢の方まで幅広い世代にファンがいることを考慮し、配置や照明等を工夫して、見やすさを重視した展示ケースとしました。
文化財保存設計:作品を保管する収蔵庫および展示ケースは、博物館レベルの機能を有する設計・施工としました。天災等の非常時にも対応できるよう、断熱性・調質性の高い内装材を活用し、できるだけ空調設備に頼らない収蔵庫としました。
- 事業主
- 一般財団法人 長谷川町子美術館
- 業務範囲
- 展示企画、デザイン・設計、制作・施工
- 当社担当者
- 企画:郷田千晶
デザインディレクション:西山健一
収蔵庫設計:(株)丹青研究所 一ノ瀬裕行
制作・施工:樋口智哉
プロジェクトマネジメント:鈴木良亮
- 所在地
- 東京都
- オープン
- 2020年7月
撮影:梶原敏英
デザインディレクション
西山健一
デザインディレクション
西山健一
科学館、博物館、ミュージアムといった文化施設のデザイン・設計を数多く手がける。
事業主のパートナーとして真摯に向き合い、ともに考えることで、事業主の思いと訪れた方の思いをつなぐお手伝いができるような空間づくりを心がけている。
※実績紹介に記載されている情報は、掲載時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。