京都市中央市場 水産棟見学エリア
日本で最初の市場で、その歴史と役割、京の食文化の魅力を体感する
全長260mの長い通路空間に対して、奥へ引き込む連続性と、市場の臨場感に同調させる動的なデザインを展開
事例概要
1927年に日本初の中央市場として開設した『京都市中央卸売市場』の水産棟が再整備されました。新施設の2階に配置された全長260mの見学エリアでは、パノラマに拡がる窓のさまざまな場所から、さまざまな種類の早朝のせりの様子を見渡せるほか、市場の歴史・役割や市場で働く人たちについて伝える機能があり、さらに京の食文化、周辺の観光情報なども発信しています。地域住民や修学旅行生、観光客など幅広い来場者に支持される市場を目指しました。
課題/テーマ
衛生管理の向上や物流の高度化など、老朽化した施設や設備を刷新するだけでなく、国内外の人々に市場の存在意義や「京の食文化」を発信し、集客につながる見学エリアを実現すること。
解決策/実現策
流通と時間の“流れ”を空間デザインで可視化。来場者を奥へ引き込むトンネル状の塗分けを計画。水産をイメージした青と京都の食文化をイメージした赤で市松柄のパターンを構成しました。せりを行っていない時間帯でもせりの臨場感を体験できるよう、大画面スクリーンを使用した迫力ある映像で、分かりやすく紹介。実際のモートラを使用した体験型展示も用意し、体験コンテンツを充実させるなど、楽しみながら学べる施設をつくりました。
環境配慮設計
ユニバーサルデザイン:外国人観光客に対応した多言語対応や、修学旅行生を対象としたルビ解説に配慮したグラフィックを計画しました。
安全設計:タッチモニタや、展示造作については、不特定多数の来場者が安全に利用できるよう、転倒防止策と什器の角が出ないよう配慮して設計しています。
- 事業主
- 京都市
- 業務範囲
- 展示企画、デザイン・設計、制作・施工
- 当社担当者
- 展示企画:森田えりか
展示ディレクション:粟國嘉隆
デザイン・設計:安藤 圭、石橋愛実
制作・施工:阿部智紀
プロジェクトマネジメント:山﨑竜也
- 所在地
- 京都府
- オープン
- 2023年4月
- ウェブサイト
- http://www.kyoto-ichiba.jp/
撮影:マツキ ヒロシ
展示企画
森田 えりか
展示企画
森田 えりか
丹青社グループである丹青創藝設計咨詢(上海)有限公司でデザイン業務に従事した後、丹青社関西支店にて大型複合施設、展示空間、交通インフラ関連施設など、多岐に渡る分野で企画を担当。積極的なコミュニケーションを心がけ、バックグラウンドの異なる人とも共通の感動ポイントを粘り強く探り、よりよい空間づくりを行うことを目指している。
デザイン・設計
安藤 圭
デザイン・設計
安藤 圭
携わるプロジェクトは大型エンターテインメント施設から、飲食専用店までジャンルを問わず規模もさまざま。西日本を拠点に地域の魅力と文化を発信する空間づくりに取り組んでいる。事業主や現場の抱える課題を利用者目線に置き換えて、シンプルなデザインとアイデアで解決策を提案している。
※実績紹介に記載されている情報は、掲載時点のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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